[ネピドー 23日 ロイター] - ミャンマーの最高裁は23日、イスラム教徒少数民族ロヒンギャの取材を巡り国家機密法違反の罪に問われたロイター記者2人の判決公判で、それぞれ禁錮7年としていた下級審の判決を支持し、上告を棄却した。

最高裁のソウ・ナイン判事は法廷で「彼らは7年の判決を受けた。この判断は有効であり、上告は棄却された」と述べた。理由には言及しなかった。

ワ・ロン記者(33)とチョー・ソウ・ウー記者(29)はロヒンギャ虐殺疑惑を取材していた2017年12月に逮捕されて以降、16カ月以上身柄を拘束されている。

記者の弁護士は、逮捕は警察が仕組んだワナだとして無罪を主張していた。

2人の記者は、機密情報の収集を禁じる国家機密法に違反したとして昨年9月に一審で禁錮7年の判決を言い渡され、控訴審も1月にこの判決を支持している。

2人の取材をもとに同僚がまとめた虐殺事件の報道は今月15日に18年のピュリツァー賞(国際報道部門)に選ばれた。

両記者それぞれの妻は静かに涙をぬぐいながら法廷から出てきた。ワ・ロン記者の妻、パネイ・モン氏は「最善の結果を期待」していたとした上で、「私たちの夫は良い人だ。彼らができるだけ早期に釈放されることを望んでいる」と語った。

ロイターのチーフカウンセル、ゲイル・ゴーブ氏は23日に声明を発表し、「ワ・ロン記者とチョー・ソウ・ウー記者はいかなる犯罪も犯しておらず、彼らが罪を犯したとするいかなる証拠もない」と指摘。「彼らは真実の報道を封じようとする警察のたくらみの犠牲者だ。われわれは引き続き、できるだけ早期に彼らを解放するためにできることはなんでもする」とした。

政府の報道官からはコメントを得られなかった。

ミャンマーにおける国連トップであるクヌート・オズビィ氏は最高裁の判断に失望したと表明。声明文で「国連は報道の自由と人権を全面的に尊重するよう求め続ける」とした。

*内容を追加しました。