【奇跡】学力格差の壁を壊す「レブロン・ジェームズの学校」

2019/4/20
「実験校」の思わぬ快進撃
大音量で流れるシスター・スレッジの「ウイ・ アー・ファミリー」に合わせて踊りながら、廊下に並ぶ職員たちは、登校してきた生徒たちをハグとハイタッチで迎えた。セルフサービスの食堂で朝食を選ぶ間も、生徒たちには温かい言葉がシャワーのように降り注ぐ。
普通の公立学校なら、特別なイベントのある日のように思えるかもしれない。しかし、NBAの大スター、レブロン・ジェームズが昨年設立した「アイ・プロミス・スクール(I Promise School)」では、いつもの月曜日の光景だ。
毎日、生徒たちは登校してきただけで称賛される。去年の今ごろ、彼らは全員、オハイオ州アクロン市の小学生の中でも成績は最低ランクで、素行にも問題ありとみなされていた。8歳の時点で「卒業は無理だろう」と言われていた生徒も何人かいる。
ところが今や、そんな子どもたちがアクロンの「学力格差」の解消に貢献しようとしているのだ。
学力について結論を出すにはまだ早すぎるし、生徒数240人というのもサンプルとしては少ない。だが、アイ・プロミス校の最初の生徒である3年生と4年生のクラスは、最近の学区内テストで並外れた成果をあげた。生徒の90%が文章の読解と算数でそれぞれの目標点数に達するか、目標を上回ったのだ。
(Maddie McGarvey/The New York Times)
世間の「色眼鏡」を払いのけて