AIがあなたの信用度を判断、日本にも 中国では14億人を格付けへ
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信用スコアがローン返済等の金融市場のものだけであれば前時代のアップデートにすぎません。
ここから先はSNSを含むオンライン活動情報、ゲノム情報、公的機関の保有する情報(犯罪歴から社会保障の支払い)等をどんどん連結させていく流れが進むでしょう。
その先にある未来は、社会のバイアスを反映させた謎のアルゴリズムによって信用度が判定される世界。PSYCHO-PASSで描かれる世界にどんどん近づく、興味本位で入ってはいけない世界。この記事には致命的な間違いがあります。
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「社会信用システム」は中国国務院が2014年6月、社会規範の向上を旗印に打ち出したプロジェクトだ。目標年次は2020年。14億人の国民を対象に「社会信用」のスコアを整備するというものだ。
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とありますが、中国国務院の文書「社会信用システム建設計画綱要」 http://www.gov.cn/zhengce/content/2014-06/27/content_8913.htm を読んでも、そんなことは全然書いていないのです。
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ネットでフェイクニュースを流布させたことが認定されれば、「社会信用」は下がる。「社会信用」が低い人物はブラックリスト化され、飛行機や列車の搭乗が拒否されるなどの制裁措置も科される。
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この部分も明らかな間違い。社会信用が下がった人間が飛行機に乗れなくなるのではなく、基本的には裁判所の判決に従わなかった人間が対象です。
中国のAI、監視社会は恐ろしいという記事は山のように見かけますが、その著者のうち、果たしてどれほどの人が中国の公文書を読んだり、社会信用システムの実施内容を調べたりしているのでしょうか? まちがった情報をもとに議論が進んでいるのが残念です。
以下はこうした誤解を解くために私が書いた記事です。
中国の社会信用システムの真実 前編 ~「信用スコア」構築の歴史~ | DG Lab Haus https://media.dglab.com/2019/03/30-sesamecredit-01/
中国の社会信用システムの真実 後編~「失信被執行人」リストとは何か~ | DG Lab Haus https://media.dglab.com/2019/03/30-sesamecredit-02/信用スコアのシステム自体は昔からありましたが、主にローンの借り入れや返済履歴から算出されるものでした。それが交通違反、ネット上での振る舞いなど様々な行動もAIによってスコア化するのが、中国で進められている「社会信用システム」プロジェクトです。すでに1100万人が飛行機の搭乗を拒否された、というのは驚きです。