[ドバイ/リヤド/ニューヨーク 8日 ロイター/IFR] - サウジアラビア国営石油会社、サウジアラムコの国際資本市場初の起債で、購入希望額が600億ドルを上回った。IFRが投資家4人の話として明らかにした。

購入希望額が膨れる中、起債額は予想(100億ー150億ドル)の上限近くに達すると見込まれている。

アラムコは年限が3年、5年、10年、20年、30年を起債。当初利回りは米国債利回りにそれぞれ、75ベーシスポイント(bp)、95bp、125bp、160bp、175bp、上乗せした水準とみられている。

モルガン・スタンレーとJPモルガンが共同コーディネーターで、価格は9日に決まる見通しだ。

サウジのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相はリヤドで開催された会合で、アラムコ債の需要が300億ドルを上回っているとの認識を示し、10日に募集を締め切ると述べていた。

昨年、アラムコは新規株式公開(IPO)の予定を2021年に延期した。

フランクリン・テンプルトンのMENA(中東・北アフリカ)株式投資責任者のサラー・シャンマ氏は「この起債の成功は、向こう2年以内に予定するIPOの試金石であり、先駆けとなる」と述べた。

前週、アジア、欧州、米国で投資家向け説明会を行った。

銀行関係者によると、収益率を持つ国営石油企業というアラムコの独特の状況により、同社を政府機関と一般企業のどちらとみなすべきか投資家の間で議論があるという。

フィッチとムーディーズは同社の格付けをA+とA1にそれぞれ設定しており、サウジアラビアのソブリン格付けと同水準。アラムコの収益率を示す数字は、エクソンモービルやシェブロンなどを上回っているものの、格付けは、エクソンモービルのAaa/AA+や、シェブロンのAa2/AAを下回っている。

アラムコがサウジ政府と強い結びつきを持っていることから、アラムコの格付けはサウジの格付けにより圧迫されている、とムーディーズは指摘する。