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アルジェリア大統領、任期満了前に退任へ

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    静岡県立大学国際関係学部 准教授

    アルジェリアは「アラブの春」を十分には体験しなかった国です。1991年の総選挙でイスラーム救国戦線が圧勝、この選挙後に国軍がクー・デタを起こし、10万人以上の死者が出る内戦となりました。その後、非常事態宣言が敷かれました。選挙は行われましたが、軍の政治的発言力はかなり大きなものです。
     ブーテフリカ大統領が辞任するのは、国軍の参謀総長が辞任を迫ったことが決定打であったでしょう。ブーテフリカ大統領は、外務大臣を長年務めた経験があり、内戦後のアルジェリアの対外関係を改善するのには都合のよい政治家でした。しかし、国軍の出身ではなく、大規模な抗議行動が拡大し続ける現在、国軍にすれば、切り捨てて国民の不満が収まるのであれば、当然切り捨てるでしょう。
     石油と天然ガスに経済が依存しているアルジェリアでは、原油価格低下の影響が広がっています。これは、ブーテフリカ大統領が辞めても変わらないことです。同様の事態は、スーダンをはじめ、いくつかの中東諸国で現れています。


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