クローゼットの片づけと同じ方法で

ようやく本格的に春がやってきた。
ゴム手袋を引っ張り出し、腕まくりをして、生活空間を徹底的に掃除しなければ、と思っている人もいるかもしれない。がらくたの山を片づけることは、これから到来する、暖かくて、願わくは生産的な季節を楽しむ準備になる。
だが、バレットジャーナル(1冊でタスク管理を行うノート術)の考案者であるライダー・キャロルが最近TEDのアイデアブログで指摘したように、がむしゃらに掃除をすることが頭の中のリセットにも役立つと期待している人はがっかりするかもしれない。
確かに家の中のがらくたを片づけることは大きな前進だが、本当の意味で気分を一新したいなら、頭の中の片づけも必要だ。
TEDの編集コーディネーターであるヘイリー・ライスマンは、頭の中の片づけ方に関するキャロルの処方箋を紹介する投稿で、読者にこう問いかけている。
「自分の頭の中が、きわめて乱雑で無限に続く、ひとつの巨大なTo DOリストのように感じることはないだろうか。いつも、それを最新の状態に更新して、そこに何が書かれているかを思い出して優先事項を見直し、必要なくなったものを削除するのに大変な思いをしているのではないか」
答えがイエスだという人は、ぎゅうぎゅう詰めのクローゼットの扉を開けるたびに何かが転がり落ちてくる時と同じ方法で、対処する必要がある。いったんすべてを外に出して目の前に並べ、捨てるべきがらくたの中から、大事なものを選り分けるのだ。

シンプルで効果的なツールを活用

このように頭の中を片づけるうえで最善の方法は何だろうか。キャロルは、一見時代遅れに見えるが、きわめてシンプルで効果的なツールの活用を薦めている。日誌や日記(ジャーナル)だ。
「頭の中を片づけるには、思考を具体化しなければならない」とキャロルは説明する。「思考を頭の中にためておくのは、水をそのままつかもうとするようなもので、不可能に近い。だが、思考を文字に書き出すことで、それを明確に記録し、後で処理することができる」
そこで彼が編み出した解決法が、やや複雑だが高い人気を得ているブレットジャーナルだ。これは色分けや索引などの視覚的合図を使って、混み合った頭の中を隅々まで徹底的に洗い出す方法だ。
手間がかかるから自分にはできなさそうだという人も、恐れることはない。思考の掃除をするのに特定のフォーマットに従う必要はない。ただすべてを外に出して、どんな方法であれ、自分にとっていちばんうまくいく方法で選り分ければいいのだ。
キャロルお勧めの5つのシンプルな手順は以下の通り。
1. 頭の中にあるものの一覧を作る
「やる必要があること、やるべきこと、やりたいことを書き出す」とキャロルは指示している。

2. なぜ自分はそれらのことをしているのかを考える
「私たちはいつも、やらなくてもいいことを背負い込んでしまう」とキャロルは言う。「やるべきこと、やれることに気を取られすぎて、『そもそもこれが私のやりたいことなのか』と自分に問いかけるのをすっかり忘れてしまうのだ」

3.「それは不可欠なことなのか」「自分や、大切な誰かにとって重要なことなのか」を自問する
「もしもどちらの答えもノーなら、それは自分にとって邪魔なものだ。線を引いてリストから消していい」

4. 残ったものを分ける
頭の中のがらくたを減らして、やらなければならないことと、重要なことだけを残したら、大きなプロジェクトをそれぞれ、実行可能な小さなステップに細分化する。

5. 毎日、一覧表(頭の中の地図)を見直す時間を取る
5分しかない場合は5分で十分だ。「新しく見つけたものを加えて、地図を最新の状態に維持する習慣をつけなければならない。そうしなければ、地図が不正確なものになり、道から逸れ始めてしまう。さまよい歩いているうちに、ふと気づくと、自分にとって邪魔なものが再び生活の中に漏れ出してくる」
原文はこちら(英語)。
(執筆:Jessica Stillman/Contributor, Inc.com、翻訳:森美歩/ガリレオ、写真:fermate/iStock)
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This article was translated and edited by NewsPicks in conjunction with IBM.