トヨタ、リチウムイオン電池の寿命を正確に予測することに成功…AIを活用
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これはリチウムイオン電池を製造する際に最終工程のフォーメーションでの時間短縮が目的のようですね。
電池セルを製造したら直ぐに直並列のモジュールやパックにすることは無くて(最近はセルを外部調達するケースが多いのでおなじところで組み上げないと思いますが)、一度充電します。それを予備充電や本充電と言ってフォーメーションやエージングとも言います。
(参考)高効率リチウムイオン電池製造を最適化する高精度アナログ・コントローラ
https://www.analog.com/jp/analog-dialogue/articles/controller-optimizes-li-ion-battery-manufacturing.html
フォーメーションには数日かかるのが普通と聞きます(すいません、私も製造現場に居る訳ではないので実際にはよく分かりません)ので、それを10分間で充電させて劣化度合いも把握しろ!というお題にAIで答えてみせたということだけでしかないのでは?
AIでバッテリーの寿命予測が出来るようになったとまで言うのは記事がミスリードさせてる気がします。正極や負極などの系が変わった瞬間にデータは水泡に帰すことは分かってると思うので、バッテリー開発者からすれば有り得ないはず。
あくまでフォーメーション時の充電時間を短くする際の劣化の程度が分かる、つまり製品としての品質が担保出来ることがAIを使って経験的に把握出来るようになったということだと思います。
一般的にバッテリーの劣化予測をする場合は、平衡論から電流密度を表すバトラー・ボルマー式をベースにして、さらに物質輸送過程を考慮して変形させますが、このあともいろんな条件を固定したりして演繹的なモデルを作ります。
アプローチが違うと言ってしまえばそれまでですが、演繹的なアプローチは燃料電池にも応用出来ますし、全固体でも次世代蓄電池にも応用出来ます(もちろんモデルが間違っていることが有りますが)。
物理現象を対象にした研究では、AI使ってメカニズムがブラックボックスにならないように地道な基礎研究をしている先生方もいらっしゃるので、この記事はもう少し言葉を正しく選ぶべきですね。TRIの公式リリースを読むと印象が変わります。
https://www.tri.global/news/researchers-use-ai-to-accurately-predict-the-usefu-2019-3-25
専門用語は分からないところがありますが、
製造時に、しかもかなり速く、電池の寿命が実験的に予測できるようになった、
それによって、用途を変えられる、
長寿命のものは、超急速充電の用途に当てられる、
という内容のようです。
とはいえ、製造最終工程での選別の意味ではなく、
製品の設計と製造に活用するように読めます。
具体例が出てくるようなると、分かりやすくなりますね。ご参考
https://www.nature.com/articles/s41560-019-0356-8
お金取られるので、あとで大学のVPNからみてみます、覚えてたら
データセットはコチラ(これはタダかも)
https://www.nature.com/articles/s41560-019-0356-8