【村木厚子】残業月200時間以上、メンタル危機を脱した長期出張

2019/5/31

外務省の激務

労働省に入って1年目の係員のときは、月に200時間ほど残業をしていたとお話ししましたが、入省4年目で外務省に出向すると、それ以上の激務となりました。
労働省の深夜残業が2時までだとしたら、外務省では3時までといった具合です。もちろん、現在ではそのようなことはないはずですが。
担当することになった仕事が国連の社会政策という未知の分野だった上、仕事のやり方も労働省とは全く違っていました。
労働省では先輩や係長が業務の指導やサポートをしてくれていましたが、外務省では一人ひとりが膨大な量の仕事を抱えていて、みんなが“一人親方”状態。誰かに相談できるような環境ではありませんでした。
例えば、予算要求の資料を作れと指示されてもどこから手をつけていいのか分からず、やっとの思いで作成すると、積算根拠がないと言われて途方に暮れる…そんな感じで、仕事はどんどんたまっていく。
なかなか成果が出せないのに、残業時間は積み上がる一方でした。しかも、時差のある海外とのやりとりで拘束時間も長くなる。
労働省のときには忙しくても4~5時間は眠れていたところ、睡眠時間はさらに短くなって、精神的にも体力的にも追いつめられていきました。
次第に気分が落ち込んで、ずっと働き続けたいと思っていたのに、仕事から逃げたいと思う気持ちが強くなってしまいました。
やっていけそうだと思っていた自信もすっかりなくし、誰かに名前を呼ばれただけで萎縮してビクッとなってしまう。
さすがに「このままだとまずい、うつ病になってしまうかもしれない」と、危機感を抱くようになりました。