【落合陽一×小林喜光】日本経済をアップデートせよ

2019/3/22
毎週水曜夜10時からの『WEEKLY OCHIAI』。3/20のテーマは「日本経済のアップデート」。経済同友会代表幹事の小林喜光さんをゲストにお迎えし、日本経済をアップデートするにはどうすれば良いのか議論しました。
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現状の認識がなければ、飛躍もない
「財政破綻までいかないと、日本人は目覚めないのか。」(小林)
この日のWEEKLY OCHIAIは、経済同友会代表幹事の小林喜光さんをゲストにお迎えし、日本経済をアップデートする突破口を議論した。
NewsPicksの特別特集「2019大予測」で論争を引き起こした、平成は敗北の時代宣言。その真意、そして平成の次の時代への提言とは──。
【小林喜光】平成は「敗北の時代」。日本人よ、怒りを持て
平成は敗北の時代なのか
小林 何で「敗北」ってニュアンスが、こんなに前に出ちゃったかってね。
平成元年、世界の時価総額トップ10は、7社が日本だった。NTTがトップ。
今年見ると、GAFAとBATJ。日本のGDPに匹敵するくらい、GAFAは時価総額を持っている。
時価総額が何を表現してるかどうかは別として、我々、経済を司ってる人間からみれば、完全な敗北ですよ。
落合 僕は「空気の停滞」と言っていたのですが、勝負をしていないのが一番問題な気がする。
何かと戦って負けた感じじゃない。
Googleと戦った国内のサービスは何個かあるかもしれない。でも、Googleと明確に戦って、派手に敗北したかっていうとそうでもない。
落合陽一(おちあい・よういち)。1987年東京都生まれ。筑波大学准教授・学長補佐 デジタルネイチャーグループ主宰。ピクシーダストテクノロジーズ代表取締役。
──ミレニアル世代としては、平成を敗北にしたのは上の世代ではと思ってしまう。
小林 全くそうだよ。僕は42から今72まで、30年間一番戦った世代。やっぱりね、新しいコンセプトを生むという事では間違いなく負けた。
インターネットの先、データセントリックな社会というものに対する認識が遅かった。
「敗北」というと強烈過ぎる。でも、それくらい言わないと分からない。
小林喜光(こばやし・よしみつ)。経済同友会代表幹事。1946年生まれ。東京大学大学院理学系研究科相関理化学修了。理学博士。2007年から三菱ケミカルHD社長を経て、2015年4月に会長。経済同友会には2008年に入会し、2015年度より代表幹事を務め、2019年4月26日の通常総会をもって退任予定。
心の岩盤をぶっ壊せ
落合 今の若者は、自分を縛っている殻が意外と強い。未知の不安に怯えて、突然「就職しないといけない」とか言い出したりする。
就職することは悪いことではない。けど、なんで好きでもないのに会社に行くのか分からない。
挑戦すればいいのになと思う事もある。
小林 経営者もそう。だから、僕が常々言うのは、心の岩盤をぶっ壊せ。
要するに、こういうものだと信じ込んでいるものから解放できていない。文字通りの心の岩盤。
──なぜ日本人は心の岩盤が固いんでしょう。
小林 個に目覚めていない。自分自身が分かっていない。分かろうともしなかった。
落合 誰かが好きなものが好き。そして、誰かが外側から良いと言うと好き。
宿命に耐え、運命と戯れ、使命に生きる
──どうすれば個に目覚められるんでしょう。
小林 地獄を見ること。
落合 地獄を見ることか、天命に気づくことじゃないですか。
自分の才能がここなら活かせるかという所をしっかり見つけて、自分の能力を名分的に喋れれば良いんだと思う。
小林 そのためには、すごく勉強して、苦しまなきゃ分かんないよ、自己発見なんて。
──小林さんはどういう風にして、天命を見つけられたんですか。
小林 僕が好きな言葉で、つくった言葉なんだけど、「宿命に耐え」。
宿命というのは、男に生まれたり女に生まれたり、自分じゃどうにもならない。宿ってる。
「運命と戯れ」。運命って命を運ぶって書くでしょ。自分自身が運べるんだよ。
だから、運命とは戯れるべき。
で、なんで生きるんだろう。そもそも人生って、なんのために生きるんだろう。
それは「使命に生きる」。
人のため、世のため、その命を使うべき。だから、生きられるんだよ。
僕がどうして72まで生きてきたかって、やっぱり使命だから。そういう気がするな。
自分の才能を自覚し、活かす
落合 自分の才能がどこで使えるかを自覚して、自分の生活や所属を最大化するのは大切。
みんなその自覚がないんですよ。自分が何向いているのが分かってないというのが1点。何向いているかをどこに行けば活かせるか分かってないのが1点。
その2つが噛み合って社会生活が送れれば、それほど幸せなこともない。
プチ幸せだけど、ロマンがない日本
「人生はロマン。ムーンショットをもっと考えないといけない。」(小林)
やらなきゃいけない社会課題は無限にあるという小林さんと落合さん。
・日本がまだ世界と戦える領域とは
Google、AmazonはGHQと似ている
議論の全貌は、ぜひ本編にてご覧ください。
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次回は「クリエイティビティ」
3月27日は、Breakthrough Company GOのPR/Creative Directorを務める、三浦崇宏さんをゲストにお迎えします。
テーマは「クリエイティビティ」。
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<執筆:潘嘉敏、デザイン:片山亜弥、潘嘉敏>