(ブルームバーグ): 任天堂は22日、三菱UFJ銀行や京都銀行などが持つ同社株を計約240万株売り出すと発表した。22日終値で計算すると約730億円分。

発表によれば、売り出し価格は未定。3月4日から7日までのいずれかの日の終値の90%から100%を仮条件にし、需要を勘案した上で決定する。需要の動向に応じ、オーバーアロットメントとして36万株を上限に追加で売り出す。

売却するのは、任天堂の大株主の東京三菱UFJ銀行や京都銀行など。上場会社の政策保有株式への対応に注目が集まる中、株主側から売却したいとの意向があったという。任天堂としては、個人投資家層に売り出すことで、株主層を多様化させる狙いもある。

同時に330億円を上限に自社株買いを行うと発表。発表によると、取得しうる株式総数は100万株で自己株を除く発行済み株式総数の0.83%にあたる。市場で買い付ける。1000万株の自己株式消却も実施する。

岩井コスモ証券の川崎朝映シニアアナリストは任天堂が売り出しと自社株買い、消却を同時に行った狙いについて「売り出しだけをみれば下落要因になるので、株価への配慮が含まれている可能性がある」と指摘。自社株買いは現状の株価水準が割安だという会社側のメッセージと受け取ることができ、消却も広い意味では株主還元策の一つだと述べた。

(アナリストコメントや売却する大株主の詳細を追加しました.)

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