【直撃】株価77%暴落のバイオベンチャー、新薬の真実を話そう

2019/2/25
1カ月前の1月末、株式市場にあるショックが走った──
バイオ医薬ベンチャー、サンバイオの株価が急落したのだ。原因は、同社が1月29日に発表した脳梗塞向けの新薬開発が「うまく行っていない」という速報結果を公表したこと。
サンバイオの株価は、1月29日の終値1万1710円から急落を続け、2月5日には2620円まで下がった。わずか5日間で77%もの“暴落”を記録した。
出所:SPEEDAよりNewsPicks編集部作成
この急落劇は、市場で「サンバイオ・ショック」とも呼ばれ、同社の株価はその後も2800〜3000円台を行き来している。
NewsPicks編集部は、「株価急落の張本人」であるサンバイオの森敬太社長(51)に独占インタビューする機会を得た。
60分に及んだインタビューで、森社長が「サンバイオ・ショックの真相」を語った。
森敬太(もり・けいた)1967年生まれ。東京大学農学部農芸化学科卒、同大学大学院農学系研究科農芸化学専攻修了。カリフォルニア大学バークレー校経営学修士(MBA)。1993年、麒麟麦酒入社(ビール事業研究開発部門)。2000年、XUMA, Inc.入社、Head of New Product Developmentに就任。2001年、SanBio,Inc.を設立し、CEOに就任。2002年、SanBio,Inc.にてChairman兼Co-CEOに就任(現任)。2013年2月、サンバイオ設立に伴い、代表取締役社長に就任(現任)。51歳(撮影:谷口 健)

「非常に残念な結果」

──1月29日のプレスリリース後、株価が暴落しました。何が起きたのですか。
サンバイオは、骨髄から取った細胞を培養して作った再生細胞医薬品「SB623」を、慢性期の脳梗塞の患者さんに使うという臨床試験を行っています。
臨床試験では、もともと「新薬でこういった成果を達成します」と宣言してから、実際に薬を投与して試験をしていきます。