[ワシントン 19日 ロイター] - 米小売大手ウォルマート<WMT.N>の第4・四半期(2018年11月─19年1月)決算は、既存店売上高が年末商戦期としては約10年ぶりの高い伸びとなり、アナリスト予想を上回った。同社が主要事業と位置付ける食料品の販売が好調だったほか、Eコマース(電子商取引)販売が増加した。

ウォルマート株は午前の取引で約4%上昇。年初来では7%値上がりしている。

米既存店売上高(燃料を除く)は4.2%増加。リフィニティブのIBESデータによるアナリスト予想の2.96%増を上回った。政府機関の部分閉鎖に伴い当局がフードスタンプ(食料配給券)を早期に給付したことも後押しした。玩具小売大手トイザらスの米事業清算も、ウォルマートの玩具市場でのシェア拡大に寄与した。米既存店売上高は18四半期、4年以上にわたり増加が続いている。

調整後1株利益は1.41ドルで、アナリスト予想の1.33ドルを上回った。

ただ、Eコマース事業への投資や輸送コスト増が重しとなり、粗利益率は7四半期連続で低下。投資増の影響でEコマース事業の赤字が今年拡大するとの見通しを維持した。

ネット売上高は、第3・四半期と同じく43%の増加。生鮮品のピックアップ・デリバリーサービスの拡充や品揃えを充実させたことが寄与した。

食料品ピックアップサービスの利用可能店舗は、11─1月期末時点の2100店舗から来年1月までに3100店舗に拡大する計画。食料品の配送サービスも、年末までに新たに約800店舗強で提供し、計1600店舗に拡充する。

総売上高は1.9%増の1388億ドルで、市場予想の1386億5000万ドルを上回った。

食料品の売り上げは総売上高の56%を占めた。

調査会社eマーケターによると、ウォルマートは昨年アップル<AAPL.O>を抜き、イーベイ<EBAY.O>、アマゾン・ドット・コム<AMZN.O>に次ぐネット通販小売3位に浮上。米ネット通販市場でのシェアは4.6%に達する公算が大きい。

昨年12月の米小売売上高は前月比1.2%減と、経済が景気後退から抜け出し始めた2009年9月以来9年強ぶりの大幅な減少となったが、ビッグス最高財務責任者(CFO)はロイターに対し「消費者の反応には依然大きな手応えを感じており、状況が急激に変化したとは考えていない。各種データは引き続きかなり健全な内容を示しており、ガソリン価格が前年比で値下がりしていることも追い風になっている」と述べた。

2020年度の既存店売上高見通し(燃料除く)は2.5─3%。ネット売上高見通しは35%。

20年度通期1株利益の伸び率について前年比1ケタ前半の減少との予想を維持したが、インドのEコマース会社フリップカート買収の影響を除外したベースでは1桁前半から半ばの増加を予想した。

マクミリオン最高経営責任者(CEO)は、インドがECサイトの外資新規制を導入し、フリップカートなどが同国国内で販売できる製品を制限したことに失望感を表明。インド政府が新規制実施前にウォルマートや他の米Eコマース企業から意見を求めることもなかったとし、今後は規制関連での連携を望むと述べた。

*内容を追加しました。