財政悪化はいつもインフレを生んできた:アラン・グリーンスパン
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注目のコメント
この問題に関しては、FRB自身も、少なくとも結果的には事態を悪化させることにむしろ貢献しています。なぜなら、巨額の量的緩和で国債の円滑な消化をサポートしたことは否めないからです。
しかも、今や量的緩和は終了し、保有資産の削減を進めているといっても、最終的な着地点はかねて想像されていたよりもかなり大きく、今後も景気が後退すれば再び量的緩和に向かうことも明らかです。
政治にとっては、国債のこうした安定的かつ大規模な買い手が出現した以上、財政規律を効かせることは益々難しくなります。資本主義は「緩やかなインフレ」が仕様です。
つまり「誰かが借金する事で、必ず【供給よりも需要が大きい】と言う状態が保たれなければならない」仕様なのです。
では誰がその状態を保つのか?
歴史が示す事実は「見えざる手」とやらに任せた時は恐慌や経済ショックが発生する等の不安定化を生じ、「政府が大きく関与した時」には比較的安定する、と言う感じではないでしょうか。
従って、政府が緩やかなインフレを維持するために財政赤字を増やすには何の問題もありません。
ましてや日本は【供給よりも需要が小さい】と言う、「資本主義としては例外」であるデフレーションなのですから、「誰かが借金する」については政府が赤字を拡大する事で、【供給よりも需要が大きい】と言うインフレーションの状態、即ち資本主義の正常状態に戻す必要があります。
従って「財政赤字はインフレを生む」なら、日本ではむしろ今はもっと財政赤字を増やせ!と言う話になりますし、実際に政府はそのようにすべきなのです。
要すれば、デフレで困っている国家が、一生懸命インフレ対策と言う真逆の政策をやってどうするのか?と。