【超現場主義】次世代人材を生み出す「NY式高校教育」ルポ

2019/2/23

企業のとなりに学校を設置

ホワイトボードのある会議室でのブレインストーミングに、ハイテク機器を駆使した作業、そして朝食とランチは無料──。
でも、ここはスタートアップのオフィスではない。
ここは、ニューヨークの市立高校生向けに職業教育が行われている「ブルックリンSTEAMセンター」。場所は高校の校舎ではなく、400社以上のスタートアップがひしめく旧海軍造船所「ブルックリンネイビーヤード」の一角にある。
ニューヨークでは、グーグルがオフィスを拡張するなど、テクノロジー業界での雇用が増える可能性が高まっている(アマゾンの第2本社建設計画は頓挫したが)。
このためニューヨーク市では、次世代の雇用に対応できる人材を育成すべく、STEAM(科学・技術・エンジニアリング・アート・数学)教育に力を入れている。
だが、その「教室」を、文字通り企業のとなりに置いて、生徒たちにリアルな経験をさせる試みは、米国内でも一握りしかない。
「このセンターを、ニューヨーク市における職業&テクノロジー教育の次世代モデルにしたい」と語るのは、ブルックリンネイビーヤード開発公社(BNYDC)のデービッド・エーレンバーグ社長兼CEOだ。同社は市が所有するセンターの敷地の管理を任されている。