中国で「モバイル決済」が爆発的に普及した理由

2019/2/8
モバイル決済、配車アプリ、シェア自転車、出前サイト、民泊、ネット通販……中国で誕生したニューエコノミー分野の新企業は、今や世界最大規模にまで急成長している。
そんな中でも既に上場し、グローバルの時価総額で世界トップ10に入るアリババやテンセントの存在が大きいのは多くの人が知るところだろう。
しかし、足元ではそれらを脅かすような第三の勢力が急成長している。今、中国の次世代ユニコーンは何を考え、どんな世界を作ろうとしているのか。
中国に拠点を置き、日本でもトップクラスの中国通であるunbot営業部部長の福積亮氏に寄稿してもらった。

中国に長年住んでいて感じること

中国のデジタルに関する人々のライフスタイルは、第0段階〜第3段階に分けることができると考えています。
第0段階は、電話とSMSが中心だったオフラインの時代
第1段階は、アリババのECやテンセントのSNS、百度の検索が創り出したインターネットが浸透した時代
第2段階は、アリババやテンセントのモバイル決済を基盤とし、オフラインの生活に、オンラインが浸み出したO2Oの時代
第3段階は、これから先の未来、IoTやVR、AR、AIの技術により、人々の暮らしのあらゆることにオンラインとオフラインの境目がなくなる時代
と考えることができます。
この数年で日本から多くのテクノロジー企業が中国に視察に来ています。
2015〜2017年頃には第1段階のWechat PaymentやAlipayといったモバイル決済、第2段階のシェアバイク、滴滴打车といったO2Oサービスの体験を求める企業が多くみられました。
2018年には特に、成熟した第2段階のO2O関連サービスと、その次の第3段階への動きを視察する企業が多くありました。
O2O関連では、美团や大众点评、AIテクノロジーを活用した抖音、今日头条、CtoCの转转や闲鱼など、数えきれない企業とサービスが中国では誕生し、グロースしています。