[東京 30日 ロイター] - 日立建機<6305.T>は30日、2019年3月期通期の連結業績予想(国際会計基準)を上方修正した。営業利益(調整後)は前期比6.9%増の1000億円となる見通し。従来予想を90億円上回る。円高や間接費の増加が圧迫するが、建設機械の販売好調が寄与する。

通期の売上収益は前期比4.3%増の1兆円で、従来予想から200億円上積みした。純利益は同3.3%増の580億円で、従来予想から70億円引き上げた。

桂山哲夫専務は会見で、通期予想の上方修正の背景について、「重点地域と位置づけたオセアニア、北米(での建機販売)が非常に好調だった。アジアでも、特にインドネシアが堅調で、シェアを取ることができた」と述べた。

一方、通期の油圧ショベルの中国市場全体の需要見通しについて、前回予想の前年比14%増から10%増に下方修正した。

桂山専務は、自社の中国販売について「第3・四半期(昨年10―12月期)は苦戦した」と説明。中国メーカーは非常に堅調なものの、外資メーカーは厳しい状況といい、「春節明けにどこまで(需要が)伸びるのか、『全人代』(全国人民代表大会)で景気刺激策をどう打ってくるかに、大いに注目している」と述べた。

ただ、中国に対する姿勢としては、引き続き利益重視で、むやみに「売り上げを増やすつもりはない。中国に頼らない形で、しっかり(全体の)業績を上げる」と語った。

(白木真紀)