【落合陽一×木下斉】地方をアップデートせよ

2019/1/18
1月16日のWEEKLY OCHIAIは、エリア・イノベーション・アライアンス 代表理事の木下斉さんをゲストにお迎えし、地方の課題をどのように解決していくか議論しました。
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国の地方創生政策は0点

高校時代より20年間、地方政策に携わり続ける地方政策のプロ中のプロ、エリア・イノベーション・アライアンス 代表理事の木下斉さん。
木下斉(きのした・ひとし)。1982年生まれ。早稲田大学高等学院在学中に全国商店街合同出資会社の社長就任。一橋大学大学院在学中に経済産業研究所などで地域政策系調査研究に従事。2007年から全国各地でまち会社へ投資、設立支援を行っている。
国の地方創生政策は、人口政策で対処すべき、人口問題を地方の問題と混同し、意味がない。
そもそも、各地域の活性化を国から言われて行うのは前時代的であり、自分たちで発案し、資金を回していけば良いという。
この日の「UPDATE MEETING」は地方の課題を振り返り、どのように解決していくか議論した。
木下さんによる論点解説は番組本編にて。

土地をブランド化するには

「地面からはえた葡萄を絞った、ただの汁で6400億円ですからね。」(木下)
シャンパーニュ市場だけで、6400億円。
フランスはワインの産地を厳しく管理することで、土地をブランド化していく。
しかし、日本は地域「みんな」で売ろうとし、結果ブランドが毀損されてしまう。
レギュレーションをかけ、希少性を高めることが稼ぐ力につながるという木下さん。
「ストーリーテリングとして、歴史の見直しは結構重要。」(落合)
ワインは、歴史を知ると美味しく感じる。
古いものに価値を感じさせる、ヨーロッパマジックをつくるのも重要という落合さん。
歴史によるブランドの差異が、日本の商品パッケージに現れていないことを指摘する。
落合陽一(おちあい・よういち)。1987年東京都生まれ。筑波大学准教授・学長補佐 デジタルネイチャーグループ主宰。ピクシーダストテクノロジーズ代表取締役。

物々交換の可能性

「どう通貨を経由しないで、サービス同士を交換し得るか。」(落合)
日本円の価値は、東京と地方で異なる。
通貨価値が一定でないなら、通貨を分離させるか、実際に価値あるもの同士をまとめるか。
EUと異なり「地方創生ICO」が現実的でない今、物々交換に着目しているという落合さん。
お金でない価値を、シェアリングエコノミー的にやり取りする可能性を語る。
「通貨をベースにした価値の算定が歪んでいるから、地方には可能性がないと見えやすい。」(木下)
物々交換の前提は、厳密な等価交換でない。
信用が成立する範囲では、通貨に寄らなくてもできることが多いという木下さん。
通貨換算してしまうと、山にはえている木は切り出されない限り、有価物にならないので価値がないと算定される。
しかし、金銭でない価値で算定されれば、大きな評価となり得る。

柔らかに変わる境界を考える

「道州制で県が独立してもダメ。」(落合)
意思決定を行う領域によって、統治の枠組みは柔らかに代わる必要があるという落合さん。
道州制に代わる、柔らかな境界線とは?
するべき事をすれば、地方の未来は明るいという落合さんと木下さん。
2人が導き出した、地方をアップデートするためのファーストアクションとは──。
議論の全貌を本編にてご覧ください。
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次回は「母親をアップデートせよ」

1月16日は「父親をアップデートせよ」より再び、花まる学習会代表の高濱正伸さんをゲストにお迎えします。
【落合陽一×高濱正伸】父親をアップデートせよ
テーマは「母親」。
幼児教育における母親の役割にフォーカスし、これからの教育のあり方を議論します。
【特別企画】
次回の番組観覧は母親限定とさせて頂きます。
番組観覧のお申し込みは、こちらから。
【50名限定】「母親」ユーザーを番組観覧にご招待
<執筆:潘嘉敏、デザイン:片山亜弥、潘嘉敏>