投資家よ、パウエル氏はグリーンスパン氏にあらず
この記事は有料会員限定の記事となります
無料トライアルに申し込む
コメント
注目のコメント
ということは、米国の景気後退はそんなに遠くなさそうということになりますね。
というのも、既に米CBOが公表しているGDPギャップは昨年からプラスになっており、通常なそこから2~3年後に米国経済は景気後退に入る経験則があります。
しかし、90年代後半にGDPギャップがプラスになった際は、グリーンスパンのハト派な金融政策により、景気後退まで4年以上かかりましたから。株価の下落、クレジットスプレッドのワイド化、少し前までのドル高といった要因によって、米国の金融環境がタイト化したことは事実であり、そのことに伴う実質的な金融引締め効果も勘案しつつ、金融政策を運営すること自体は合理的です。
ただし、こうした金融環境のタイト化の少なくとも一部は、利上げによって生じたものだとすれば、利上げの影響をいわばダブルカウントし、結果的に過大評価することになります。
また、金融環境のタイト化が、経済のファンダメンタルズに対する期待の低下やリスクアピタイトの後退といったrealな要因ではなく、市場取引のAI化などに伴うvolatilityの上昇による面が大きい場合、金融政策の運営において、それをどこまで考慮すべきかという問題もあるように思います。岩田さんがコメントされているようなグリーンスパンによる甘美なプットが金融危機を引き起こしたと考えられているので、当然にパウエル現議長の姿勢はグリーンスパンと比較するとタカ派になります。