【高橋祥子】他人のことは気にせずに、自分の世界を深く持て
2019/2/9
印象深いフランスでの異文化体験
プロフィールでは「大阪府出身」としていますが、5歳までは京都で暮らしていました。父は外科医で、母は専業主婦。1つ年上の姉と、3つ年下の弟がいます。
京都にいた頃の幼少期の記憶はほとんどないんです。母に聞くところによると、活発で誰にでも元気よくあいさつをする姉とは違って、私は初対面の人とは話せないし、挙動不審になるようなところがあったそうです。人とのコミュニケーションが苦手だったのでしょう。
そんな私に対して、母は問題があるんじゃないかと思っていたこともあったとか。幼稚園の先生には「なんでもよくできるお子さんですよ」と言われて、全く信じられなかったそうです。
5歳から7歳までの2年間は、父の仕事の都合でフランスのナントで生活しました。「外国人」として通った現地の幼稚園と小学校での体験は、今でも印象深く覚えています。
フランス人の中に私1人が外国人という環境でしたが、「みんなと違う」という理由でいじめられることはありませんでした。
むしろ、違うことを好意的に捉えてくれて、興味を示してくれるんです。「こういうときは日本語ではなんて言うの?」といった質問もよくされて、私自身も異文化の交流を楽しんでいました。
幼いながらに「人と違うということは、すてきなことなんだな」と感じ、日本にいたときよりものびのびできて、友だちもたくさんできました。
日本社会の同調圧力に違和感
帰国後、大阪の豊中市内の小学校に転入すると、異文化が受け入れられたフランスでの生活が一変しました。