【新】ゲノム解析で世界を変える、経営者兼研究者・高橋祥子

2019/2/9
【高橋祥子】他人のことは気にせずに、自分の世界を深く持て
小学校の高学年の頃、父が私に向かってこう言いました。
「他人のことは気にせずに、自分の世界を深く持て」
【高橋祥子】トランペットに没頭、練習しすぎて口から出血
夏休みなどもほとんど部活動に費やしていました。練習しすぎて、口から出血することもあったくらい(笑)。
でも、そのおかげで、吹奏楽部としてだけでなく、トランペットでソロのコンクールにも出場し、大阪府代表に選ばれました。
【高橋祥子】学歴って意味があるのかな?
周りにも京大を目指している人が多く、父も京大の医学部出身だったこともあって、私もなんとなく京大に進学することを考えていました。
でも、ある日ふと「学歴って意味があるのかな?」と思い、父にそう尋ねたことがありました。すると、父はこんなふうに答えました。
【高橋祥子】想像の範囲内でしか生きられない人生に恐怖
このまま京大の大学院に進んだら、もうずっと、想像の範囲内でしか生きられないんじゃないか。
そう考えたら、環境を変えようと思わずにはいられませんでした。
【高橋祥子】どうしたら世界を前進させられるのか
どうしたらその研究を加速させて、より大きな価値を生み出し、世界を前進させられるのか。ディスカッションは500時間以上に及んでいたと思います。
そうした中で、齋藤と「会社を起こそう」という話になりました。
【高橋祥子】日本人向けのゲノム解析サービスはこうして生まれた
私たちは日本人やアジア人を対象とした研究に基づき、疾患リスクや体質などに関する数百項目の遺伝情報を提供したいと考えていました。
日本人やアジア人向けの大規模ゲノム解析サービスを、日本で先駆けて提供したい。
【高橋祥子】賛否両論、大学祭でアルコール遺伝子解析
本来、アルコール遺伝子の解析は一般的に5000円前後かかります。しかし、東大の五月祭では一気飲みの反対キャンペーンを展開していた酒類メーカーと、遺伝子検査会社の協力を得て、無料で実施できることになりました。
その結果、ブースは大盛況。多くの反響がありましたが、それは好意的なものばかりではありませんでした。
【高橋祥子】悩むよりも葛藤から学べ
罪悪感にさいなまれる状態から抜け出すきっかけになったのは、経営の大先輩からいただいたアドバイスでした。
「葛藤を抱えているときにこそ、生み出せるものがある。悩むよりも、その葛藤から学べることに焦点を当てるべきだ」
【最終話・高橋祥子】課題があればこそ、人は思考する
生命科学のテクノロジーを活用することで、現在は根治できる治療法がない疾患の原因を明らかにできるかもしれません。
病気の予防に役立てることで、医療費が抑制できるかもしれません。
私はさまざまな課題の解決には、生命科学の力が必要だと確信しています──。
連載「イノベーターズ・ライフ」、本日、第1話を公開します。
(予告編構成:上田真緒、本編構成:田村知子、撮影:竹井俊晴、デザイン:今村 徹)