【加藤史子】日本が真の「観光立国」になるための条件
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日本の産業、第1位になっていく過程、途上にある観光産業の2018年を振り返り執筆させていただきました。その兆しが、法律や異業種参入、公共セクターの民営化など、さまざまな局面で発現してきた1年となりました。
しかし、この産業に携わりつつも、この産業は何を売ってるんだろうとの問いは、常に私の中にあります。
その問いを抱えつつ来年も走り生き抜きたいと思います。
記事よりーーー
観光産業が日本の主産業になっていくことは間違いない。現在はこれから長く続くであろう変化の途上であり、その変化に、税金や法規制、異業種参入、公共施設・公共交通のあり方など様々な事柄が影響を受けている。
観光産業とは一体何者なのだろうか。観光消費を分析すると宿泊費、飲食費、交通費がほとんどを占めるが、これらを売っている産業ではないと思う。
なぜなら、それらは旅をしなくても得られているものばかりだからだ。
多くの人は普段、自宅で眠り、食材を購入し、通勤や通学に必要な交通手段を利用して生活を営んでいるのだから。
むしろ、それらをあえて捨て(旅で不在の間、家賃が減免される家も割引される通勤通学定期券もない)、仕事を休み給料が得られる機会を捨て(有休使用は除く)さらに大枚をはたいて出掛けるのが旅である。
私は前職のリクルートでこの産業に魅せられ、2年半前にWAmazing株式会社を創業した。
我々は何を売っているのか、正解は1つではないが、あえていえば「心を動かす」ことを売っているのであろう。
スタートアップの経営とは日々「Hard Things(つらく大変な出来事)」の連続だが、それでも今の時代にこの産業の一翼を担えることに大きな幸せと感謝を感じながら2019年も日々邁進(まいしん)していきたい。事実上民泊を制限する民泊法と、それをさらに規制強化する都道府県条例、そして急ピッチで進められたマンションの管理組合の規定変更。未だにほとんど使えない日本が誇る東海道新幹線の訪問者用ネット予約。そしてなんと言ってもUberなどのライドシェア規制。世界の潮流の真逆を行く日本が観光立国するのはかなり難しい。急速に日本の人口が減少していく、という揺るぎない事実の認識があれば、観光公害の恐れとか言っていられないと思うのだが。
私はフィリピンの観光地セブ島に住んでいます。
セブは世界中から600万人、日本からも60万人程の観光客が訪れていている人気スポットです。
現在中国からの観光客が急増していているので、中華料理店など、中国人観光客を意識したビジネスが増えてきました。
セブ島の良い所を残しながら観光客のニーズに対応していかなくてはならないのですが、なかなか難しいです。セブ島では乱開発が続き、昔の良さが無くなってきている気がします。
なにも考えずに観光立国を目指すと、良い所を切り売りして、外国人を誘致することになります。
日本が観光立国を目指すなら、ちゃんと計画して行ってほしいです。