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美しいコンクリートを追求、全員で知恵絞る

日経 xTECH(クロステック)
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注目のコメント

  • セメントメーカー 研究員

    コンクリートとは、美しさが性能に直結する材料である。

    それでは、美しいコンクリートとは何か。
    端的に言えば、「均質であること」が第一であると考える。
    裏を返せば、均質でないコンクリートは美しくなく、また性能が劣ることが多い。

    例えば。
    表面に「ひび割れ」が発生していれば、そこから塩分や水分といった因子が侵入して、鉄筋腐食が生じる。
    コンクリート中の鉄筋が錆びてしまえば水溶性の腐食生成物がコンクリート表面に滲み出て「錆び汁」と呼ばれる茶色の変色が現れる。
    あるいは、水酸化カルシウムなどが表面に浮かび上がり、これが大気中の二酸化炭素と反応することで「エフロレッセンス」という白色の結晶が析出する。
    雨だれや真菌類の死骸は黒色の模様を作り出し、打ち放しコンクリートの美観を損なう主要な要因となる。
    打ち込み時の締固めが足りない場合や、コンクリート中に連行された空気量が多ければ表面に気泡が形成され、穴ぼこだらけの肌面がつくられる。
    かといって、水分量を過大にしたり締固めの振動を与えすぎたりすると骨材とモルタルが分離し、「ジャンカ」と呼ばれる雷おこし状の劣化が生じる。

    このような異常は全て、コンクリートの表面に現れるものであり、施工・材料・養生・設計・環境に由来する不良である。
    これらの「不均質な」異常部は健全なコンクリートよりも強度や耐久性に劣るため、そこから選択的に劣化や破壊が生じる。
    見た目にこだわることは良くないが、見た目の良いコンクリートは中身も良いコンクリートであることが多い。

    美しいコンクリートとは「均質なコンクリート」であると述べたが、コンクリートとは本来「不均質な」材料である。
    セメント・水・骨材・空気・化学混和剤といった複数の材料で構成され、それらの産地・メーカーはおろか、作成者・使用場所も全て異なる。
    これらの要因を勘案し、均質なコンクリートを作り出すことに知恵や経験が必要であることは想像に難くないだろう。
    コンクリート技術者の仕事とは、コンクリートに普遍性を与えることでないかと私は考えている。

    美しさの判断には個人差が生じるが、上で述べた観点は工学的見地に基づくものであり、ある程度共通するものではないだろうか。
    何より、個人差が生じるほどコンクリートに対する審美眼は社会の中で育っていないのだ。
    まだまだ新しく弱く、我々の文化からは遠い材料だから。


  • 大学 助教・材料/物性物理

    美しい材料というと木目や大理石にがぱっと浮かぶが,コンクリートの断面もその部類に入る.普段骨材などが隠れてしまっているのが残念なくらい.

    何が美しいのか言語化するのは難しいが,ミクロなスケールで見ると大小様々な相や模様が存在する一方で,少しマクロに見てみるとそれらの模様が周期的であったり規則性があるようにも見える.このような幾何学的な何かを発想される模様は考えることなく,見ている世界が広がり不思議な感覚に襲われる.

    先日見つけたが,ゴッホのうねりのある模様が実は渦が発生する乱流と数学的にほぼ一致する事がわかっているようだ.ハッとした.https://newspicks.com/news/3543670
    他にも黄金比や素数,アラベスク模様,市松模様のようなぱっと見,規則性のあるようなないようなわからない世界に興味を抱く.

    金属断面のミクロ組織も実に多様で美しいと思うんだけどな.2次元でしか観察が難しいから3次元で観察・再構築できると面白いと思う.


  • ユーザベース SPEEDAアナリスト

    先日、実際にコンクリートを見ながら安田さんに解説を頂けるという機会があった。それ以来、コンクリートを見ると、どれだけ均一か(空いている部分がないか)などが気になる。
    本記事も併せて、身近な素材が多くの方の英知・努力・工夫によって支えられているのだと感じる。


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