フランス大統領を追い詰める「反乱」はなぜ起こったか

2018/12/2

人心に響かない改革の美辞麗句

エマニュエル・マクロン仏大統領は昨年5月の就任以来、フランスに活力を注入すべく、大胆な改革を次々に打ち出している。
労働法を緩和し、かつては強力だった労働組合と対決している。地方交付金の削減も進めている。11月27日には、現在稼働している原子力発電所の約4分の1に相当する14基を2035年までに閉鎖する計画を発表し、化石燃料への依存を減らすことも宣言している。
ただし、マクロンの長期的な国家ビジョンが、市民のより差し迫った必要性に応えていないことは、これまでの政策と同様にあえて検証するまでもない。
地球の運命を偉そうに語る演説は、自分たちの日々の生活の苦境に見て見ぬ振りをしている。