思想教育の誤算か。中国共産党が危ぶむ、極左エリート学生の台頭

2018/11/28

長年の思想教育の予想外の成果

中国共産党のイデオロギーにどっぷりつかった若者たち──。それはまさに、中国の最高学府が生み出すはずの理想的な人材だった。
彼らはマルクス、レーニン、毛沢東の著作を読み、社会主義の進歩を語り合う学生団体を作った。キャンパスにいる労働者階級(用務員や調理師、建設労働者など)の待遇を調べ、生活が苦しい農村世帯を助けるボランティア活動をし、習近平国家主席のスローガンを暗唱してきた。
大学を卒業すると、彼らは理念を実行に移すときだと張り切った。
だから8月末、同じような志を持つ大学生や新卒者が全国から恵州に集まり、近くの工場の労働組合を結集して、労働者の保護拡大を求めるデモを組織した。
そのとき初めて、党はこの問題に気がついた。