【フェイクニュースを超えて】 SNSのうわさのせいで焼き殺され、メキシコの小さな町で
BBCニュース
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誤った情報がwhatsappで一気に広まったという事だけでなく、その情報を信じた人々が他人にガソリンをかけて火をつけ、スマホをかかげる公衆の面前で火だるまにして焼き殺すという「私刑」を行った事こそが恐ろしい。BBC詳報。母親はFBのライブ配信で息子の死の瞬間を観ていた。
メキシコで起きた、SNSを経由して広まった人々の感情を刺激するフェイクニュースが、2人の無実の人を生きながら焼き殺した事件を取り上げたBBCの記事。
静かな怒りに満ち、犠牲者の横顔に寄り添った素晴らしい記事と思う。「感情の劣化」とは宮台真司が繰り返し口にするワードだけど、ある一部の感情はネット時代が進むにつれてますます増大しヘゲモニーを握っている。脳の周りをズキリとした波動で取り囲み、普段の生活の中では維持することが大人の証とされているあの平静さをどこかに置き忘れさせる、顔のない憎悪のカタルシスだ。
こうした憎悪に基づく悲劇の事例はインドやスリランカで起きているものについて目にすることが多いけど、憎悪のカタルシスはこの日本のネット空間でも日々発動している。恐らくはそれがメキシコのような悲劇にまで達しないのは私たち日本人の「民度」ゆえというよりは、治安体制の高度さと、世間という行動相互監視システムの抑制のおかげなのだろうと思う。