[東京 15日 ロイター] - ソニー<6758.T>でテレビやオーディオなどホームエンタテインメント&サウンド(HE&S)事業を率いる高木一郎専務は15日、報道各社とのグループインタビューで、同事業で掲げている2020年度の営業利益目標750億円─1050億円について、今期予想の860億円から伸ばしていきたいと述べ、目標レンジの上方での達成に意欲を示した。

HE&S事業の2018年3月期の売上高は前年比18%増の1兆2227億円、営業利益は同47%増の858億円だった。テレビの高付加価値モデルへのシフトや為替の追い風が収益を押し上げた。

テレビは規模を追わず、高付加価値モデルに絞った戦略を継続する。このため、今期の販売台数は前期よりも90万台少ない1150万台を計画しており、HE&S事業の売上高も前年比6%減の1兆1500億円に落ち込む見通しだ。

ただ、営業利益は高付加価値モデルへのシフトでほぼ前期並みの860億円を確保できると予想している。

高木専務は「テレビ事業は利益をとるのが難しいといわれて久しいが、数を追わず、平均単価を上げる努力をしている」と説明。「販売戦略や技術開発をすべて高付加価値化に集中しており、安売りして大量にさばくという商売は一切やる気はない」と語った。

2020年度の営業利益目標に関しては「今期予想の860億円を中心にしてプラスマイナスとなるが、マイナスは嫌いなので伸ばしていきたい」と述べ、「オーディオがもっと伸びるのではないか」との見通しを示した。

2018年3月期のオーディオを中心とするビデオ&サウンド事業の売上高は前年比14%増の3579億円だった。ヘッドホンやワイヤレススピーカーを成長領域と位置づけ、さらに売り上げを伸ばしていく方針だ。

(志田義寧)