M&Aの成否占う「5つのワナ」
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2009年に2400億円でアメリカのセプラコール(現サノビオン)を買収した大日本住友製薬の方にお話を伺ったことがあります。
初めての海外大型買収という事もあって、当初は大変ご苦労されたようですが、とくに大変だったのがPMI(買収後の統合)。
最初はプライドの高いセプラコールの研究者たちは日本から派遣された管理者には容易に従わなかったそうです。
ならばという事でハーバード大学のPhDをもつ一流の研究者を送ったところ、今度は皆その指示に従ったそうです。
ここからわかる事は、PMIはテクニック論ではなく基本的に送る人材によってその結果が左右されるという事です。
多くの日本企業は不思議なことに買収まではとても熱心なのに、買収後は一子会社扱いし、人材でも、資金でも経営リソースを本社並みに割こうとしません。
本来ならば、買収当初はは本社以上の人材とリソース、特に人材に関してはエース級を送らなければいけないのに、真逆のことをするのもしばしばです。
又PMIが重視させるアメリカではPMIの専門会社も腐るほどありますが、日本ではとても数が少なく、たとえ初めてのM&Aでも依頼する会社はほとんどありません。
正直経営リソースは割かない、PMIの専門家を使う費用も惜しむ、では上手くいく方がどうかしています。
その点経営者自ら買収企業の経営に積極的にコミットする中小企業のM&Aの方が遥かに成功率が高いのです。
M&Aを成功させるには、一にも二にもまず人からなのです。面白い、と思ったら浜田宏さんでしたね。「戦略のワナ」「仲間のワナ」「改革派のワナ」「成功体験のワナ」「技術のワナ」は納得。“情緒が最初、次に知性を示し、最後に理性で諭す。PMIに強い人材の育成には、事業再生の経験を多く積ませることだ。逃げ場のない修羅場をくぐり抜けてこそ、変化に柔軟に対応し、PMIを担える人材に育つ。”も浜田さんらしい気持ちの良いメッセージ。
レノボ・グループでPMIのチームをリードしていた経験で言うと、傾聴を通じて本質を理解しベストな解決策を出すという姿勢の強い日本人は本当はPMIには向いていると思います。残念ながら浜田さんの言うように事業再生の現場経験、多様性に富んだグローバルチームの中で価値を出していく経験を積む機会が足りていない。徐々に状況は変わってきていますし、将来はPMIでグローバルに活躍する日本人が増えてくるのではないかと思っています。良記事です。
「戦略のワナ」
「仲間のワナ」
「改革派のワナ」
「成功体験のワナ」
「技術のワナ」
そうですよね。
『誰もがPMIで早く成果を出したいと思うはずだ。だが、最初の100日で重要なのは、戦略やビジョンを語ることではない。現場の社員との対話が命だ。情緒が最初、次に知性を示し、最後に理性で諭す。』
至極の金言です。
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