[ストラスブール 13日 ロイター] - ドイツのメルケル首相は13日、欧州議会で行った演説で「欧州軍」の創設を呼び掛けた。同構想についてはフランスのマクロン大統領が提唱し、トランプ米大統領が反発していた。

メルケル首相は、欧州軍は北大西洋条約機構(NATO)を補完するものになるとの考えを表明。「相互に依存できる時代は終わった。このことは、欧州は自身の運命に完全に責任を持つ必要があることを意味している」とし、「真の欧州軍の将来的な創設に向けビジョンを取りまとめる必要がある」と述べた。

また「欧州に自国優先主義や利己主義はもはや存在すべきでない」とし、寛容さと結束の重要性を訴えた。

イタリアの財政を巡る懸念が高まる中、「通貨ユーロは全加盟国が持続可能な財政の責任を果たして初めて機能する」とも強調。

「イタリアに手を差し伸べたい」としながら、「しかし、イタリアは様々なルールを受け入れる必要がある。ルールを簡単に破ることはできない」と述べた。

通貨同盟の深化に関する構想には具体的に踏み込まず、「金融政策の立案を改善する必要がある。われわれは銀行同盟に取り組んでいる」とした上で、「まず責任や管理、銀行同盟に目を向け、それから欧州の保険制度を検討する必要がある」と述べた。

*内容を追加しました。