「同盟通信社」の記事を無料閲覧 膨大な情報量の歴史資料
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同盟通信は現在の共同通信社、時事通信社、そして電通の母体となった独占通信社です。
1936年に国策によって新聞連合社と日本電報通信社が強制的にM&Aさせられて作られた会社ですが、折しも日中戦争から太平洋戦争に差し掛かる中、前線の拡大にとともに海外報道が増え、最盛期には海外だけで70支社、1700人の社員がいたそうです。
現在の共同通信社の海外特派員は約70人ほどだそうなので、その規模や情報量がいかほどかがよくわかります。
同盟通信が配信した記事そのものは、終戦直後に全て焼却されてしまいほとんど残っていませんが、同盟通信は配信した記事のまとめを加盟新聞社に配布しており、それが今回ネットで公開された同盟旬報です。
国会図書館などでも閲覧できますが、全10冊で35万円もする高い本なので、こうしてネットで無料公開されると、当時を知る貴重な資料として、大いに活用されることと思います。戦前のメディアのあり方については、ポジティブなものも、ネガティブなものも、十分解明されたとは言い難い。戦争加担ということで紋切り型的に批判するのではなく、何よりも状況を冷静に理解する必要がある。
そのためには、貴重な資料が手軽に読めるようになったのは、有り難い。これをどう活用するか、それが今後の課題となる。素晴らしいですね。わが「美術手帖」も70年分のアーカイブを持っていて、そのデータベースかと公開による有効活用をしていきたいのですが、人的・資金的リソースの問題が。。今回の「同盟通信社」はどうやったのか知りたい。