サウジ記者を殺害前に苦しめた、皇太子の暗黒ツイッター部隊

2018/11/1

批判勢力は徹底弾圧

毎朝目覚めてスマートフォンでツイッターをチェックするたび、ジャーナリストのジャマル・カショギは地獄を見た。
体制に批判的な有力者を攻撃せよとの命を受けたサウジアラビアのトロール(荒らし)部隊が、夜な夜なカショギのツイッターを荒らし回っていたのだ。ひどく打ちのめされることもあるカショギの精神状態を心配し、友人たちは頻繁に電話を入れた。
「彼にとって一番つらいのは朝でした。起きたとたん、ネットで機銃掃射を浴びるようなものでしたから」と、15年来の友人だったマギー・ミッチェル・セーラムは言う。
国内外の批判勢力を徹底弾圧するムハンマド皇太子(Tasneem Alsultan/The New York Times)
サウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子とその側近は国内外の批判者を黙らせようと、大がかりなオンライン口封じ作戦を主導している。