【超解説】GAFAもたどり着けない。アドビのAIが「ヤバイ」理由

2018/11/1

まさに「魔法」という言葉が、ぴったりだ。

動画中のオブジェクトを見事に消しさったり（下記YouTube）、文字情報から誰かのスピーチを再合成したり、クリエイティブから自動的にツイッター向け、フェイスブック向けに最適化したバナーを自動作成したり──。

近年、アドビが打ち出す「未来」のテクノロジーは、さながらSFのようなインパクトから世界中で大きな注目を集めている。その根幹にあるのが、アドビが「Adobe Sensei」と呼ぶ、AIや機械学習の技術基盤だ。

アドビのAIは何がそんなにすごいのか。

長年、アドビのテクノロジー進化を間近で分析し、実際にユーザーとしても使っているTHE GUILDの深津貴之CEOに、その「真の凄み」を解説してもらった。

数年前から天才たちを確保

──深津さんは、Adobe Senseiが世に登場する前から、アドビのAIについて注目されていましたね。

はい、Adobe Senseiが登場したのは、一昨年のMAX（アドビのイベント）ですが、その少し前から予兆があったと思います。

コメント

注目のコメント

• 深津 貴之

  THE GUILD CEO / note CXO

  ・2018年11月01日

  インタビューで、AdobeのAIについて説明させていただきました。ただのフォトショップ屋さん、PDF屋さんとしてAdobeを見ると色々見落とします。 iPhoneに阻まれたとはいえ、adobe はflash playerでインターネット全体にラッピングレイヤーを構築し世界制覇寸前までいった、ある種ゴリゴリのプラットフォーム構築のプロ。
  
  フォトショでディファクトを取り、印刷のデファクトをとり、PDFを抑え、youtubeのビデオフォーマットを抑え(flv)…と、再現性を持ってディファクトスタンダードを何度も抑えに来る、特殊なプレイヤーなんですよね。
  
  あんまその文脈で語られないけど。
• 森川 潤

  NewsPicks NY支局長

  ・2018年11月01日

  アドビはよく「Magic」という言葉を使いますが、確かに、彼らのAIは魔法感を漂わせるものがあります。何より実際にクリエイティブを持ってるから、そのAIの凄さが視覚的に伝わってくるのが面白いです。
  
  もう一つは、アドビの場合、AIで何をしたいか、という目的が明確に設定されていることが非常に特殊です。これがあるからこそ、魔法が生み出せる。
  
  その一番の肝を、長年アドビのテクノロジーを間近でウォッチし、実際に使っている深津貴之さんに解説してもらいました。こばかなさんによるイラストでさらに理解が深まります！
  
  
• 佐藤 元則

  NCB Lab. 代表

  ・2018年11月01日

  Adobeの凄さとは、まず制作プロセスや画像属性データをクラウドに保有していること。これはGAFAにはありません。
  
  AdobeのAIの凄さとは、編集中にクリエイターが行った「意思決定」と「作業プロセス」を学習するということ。それは上記のデータがあるからできることです。
  
  そしてそれを「魔法」という形でアウトプットする。5分の動画で冗長な部分を削除し、自動で3分の動画に編集してくれるとか。1枚のバナー広告を作成すれば、5種類のサイズ違いのバリエーションを自動生成してくれるとか。
  
  という記事に驚くとともに感激しました。毎日Adobeのクリエイティブスウィートを使っていますが、本当にAdobeはすごい。