五輪、公式映画監督に河瀬さん カンヌで受賞歴
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五輪の公式映画といえばベルリンのレニ・リーフェンシュタール以来、映画という表現の一つの頂点を脈々と連ねてきたジャンルです。日本では1964年東京オリンピックの市川崑監督作品が最も多くの人々の記憶に残ったと思われますが、これとは対照的に記録映画に徹した篠田正浩監督の『札幌オリンピック』もあります。
河瀬直美監督の五輪映画はどういう性質の作品になるのか、楽しみなところです。河瀬監督は、『萌の朱雀』のような奈良に密着した、ある一人の人間―少女や女性―の視点を通した淡々とした展開の、しかしその人間にとってはまぎれもなくかけがえのない時間を描いた物語が中心的な作品です。ただ、最初期の『につつまれて』や『かたつもり』は自分自身の視点を通したドキュメンタリー作品でした。河瀬監督は、間違いなく現代の日本で最高の映画監督の一人ですが、その中でドキュメンタリーをとれる人となると、他には是枝裕和監督あたりも考えられますが、河瀬監督は、あるいはベストの人選であるかもしれません。