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ドバイなどを見るとよくわかりますが、この地域では石油と天然ガス以外の農業や製造業といった産業で発展することは期待しがたいですが、他に繁栄の方法がないわけではありません。イエメンはかつてUAEよりも繁栄しましたが、世界有数の最貧国に転落しました。
 近現代のイエメンでは、紛争と飢餓、難民の流出が絶えません。古来、イエメンは海上貿易の要となり、英国はアデン港を植民地帝国をつなぐ要としました。イエメンは貿易で潤ってきましたが、他に産業は発達しておらず、農業にもあまり適していません。とれるのはコーヒーと、あとはキビなどです。現代のアデンは海上の中継地点としての地位を失い、むしろこの地域ではジブチが中継貿易港として重要性を増しています。ただし、この地域の軍事的意義は依然大きく、現在は欧米諸国や中国、日本などがジブチに軍事拠点を置いて強化を続けています。もし今後サウディアラビアとイランの対立を軸とする大規模な戦争が起きるのであれば、紅海からアラビア海、アフリカの角、インド洋に面する海域を制圧することは経済面も含め致命的に重要になります。もっとも、サウディアラビアにそのような深謀遠慮があるわけではなく、それよりもUAEがイエメン南部、ソコトラ島、ソマリアなどに次々と基地を設置しています。
 イエメンで繰り返し起こった内戦は、衰退を加速させました。2011年から続く今回の内戦は、サウディアラビアやUAEが介入したことで、さらに混迷を増しています。直接的には、戦争による産業の停滞、ホデイダ港をはじめとする貿易港が封鎖され、食糧を含む物資の途絶が数百万人を飢餓に追いやっています。難民の流出が続いていますが、地理的な制約と軍事封鎖のため、脱出がままならない人々も多いです。元々、水の調達も容易ではない地域であるため、コレラの蔓延による死者も増え続けています。
 サウディアラビアの軍事支出は世界第3位ですが、軍の運用の拙さは驚異的であり、2年かけても主要都市の1つすら攻め落とせず、徒に犠牲者を増やしています。出鱈目な空爆による民間人の死者数も驚異的です。サウディアラビアとUAEにどういう思惑があれ、大多数のイエメン人にとっては途方もない災厄でしかありません。飢餓状態の解決には、戦争の終結が不可欠です。元々最貧国ではありますが、天然ガス田の開発など、飢餓のない社会をつくることは十分に可能です。
今のサウジアラビアの混迷の原因の1つ。ムハンマド皇太子は、短期間で決着付けられると見込み、介入したものの泥沼化。その間に莫大な金をつぎ込み、内政にまで影響が出る始末。どうしても早く制圧したいサウジアラビアとUAEは、民衆を支援するための船が出入りする港さえも封鎖し、人権などはまるで無視。そのために食料危機やら疫病やらで、悲惨な状況と報じられている。ムハンマド皇太子としては、イエメン制圧というお土産を持って、サルマン国王から生前退位を受けて、国王になると軽く考えていたかもしれないが、そのための犠牲はあまりに大きい。