【川村元気×落合陽一】お金とは何か?

2018/10/14
研究、メディア、ビジネスのフィールドで縦横無尽に躍動する落合陽一。映画プロデューサーで小説家でもある川村元気。二人が「お金」を語り尽くす(全4回)
【川村元気】落合陽一は「現代っ子より先の未来っ子」

お金とはTポイント

──川村さんは、なぜお金が嫌いだったんですか。
川村 単純に僕は「よく分からないもの」が嫌いなんですよ。
落合くんみたいな人は、よく分からないものに対して探求心があるじゃないですか。ただ僕は、お金の仕組みが分からないと言って、逃げ回っていたんですよね。しっかり向き合ってこなかった。
でも、その感覚は「世間」と近いと思うんです。億万長者に対して、何となくうさんくさく感じていて、お金を持っている人はズルをしているんじゃないかと思いこんだり。
当然、お金はあったほうがいいけれども、あり過ぎてもなんか怖いというか、距離感がすごく難しい。
川村元気(かわむら・げんき)/1979年横浜生まれ。上智大学文学部新聞学科卒。「電車男」などの映画を製作。11年、優れた映画製作者に贈られる「藤本賞」を史上最年少で受賞。12年『世界から猫が消えたなら』で作家デビュー。140万部の大ベストセラーとなり、映画化。「君の名は」も担当。著書の『億男』が映画化され10月19日に公開
──そこでお金をテーマにした『億男』の小説を書こうと思ったわけですね。
川村 そうです。
僕の場合、小説を書くときは、死と恋愛とお金の3つをテーマにしています。この3つは、どんなに人間が賢くなっても、逃れられないものですから。
──落合さんにとって、お金って何ですか。落合さんって、お金に執着ないですよね。
落合 あんまりないですね。
──お金とは何かを一言で言うと?