【ご参加ありがとうございました】イベントレポート:βテストのご報告

2018/10/7
2018年6月からスタートしたβテストが、9月28日をもって終了となりました。
テスト最終日には、ご協力くださったピッカーさまのなかでご都合の合う方をオフィスにお招きして感謝イベントを開催しました。イベント内でCTOの杉浦が行ったプレゼンテーションを書き起こしし、本テストのご報告とさせていただきます。

また、記事の最後にはβテストご参加者のなかで「たくさんの方からサンクスを得たピッカーさん」をご紹介しております。本当にご協力ありがとうございました!

βテストを振り返る

新しいコメント欄の楽しみをピッカーの皆さまにお届けしようと、6月11日から約3ヶ月にわたってβテストを行ってきました。期間中にもテスト参加者の皆さまには、アンケートにご協力いただいたり、ヒアリング会に参加いただいたり、大変お世話になりました。
NewsPicksの開発に携わる身として、ピッカーの皆さまからダイレクトにお声を頂戴でき、直接お礼を申し上げる機会があることは、とても幸せなことだと実感しています。日頃のご愛用、そしてβベストへのご協力、本当にありがとうございました。
杉浦 正明(すぎうら・まさあき)
NewsPicks 取締役CTO。大学卒業後、日立ソリューションズを経て、シンプレクスに入社。大手証券会社向けプロジェクトのマネージャーを歴任した後に、高速為替取引システムの開発リーダーとしてアーキテクチャ設計に従事。2012年にトークノートに取締役CTOとして参画し、2014年にユーザベースに入社。2016年にユーザベースから分社化したNewsPicksの取締役CTOに着任。
iOSユーザーでβテストに参加表明くださった方には、いくつかの新しい機能が搭載されたコメント欄をお試しいただきました。そしてこのテストを通じて、我々は3つのことを実現しようとしていました。
ひとつは、「サンクスポイント」です。
ピッカーの皆さまが素晴らしいコメントを投稿くださったときに、それを読んで共感したり、感謝の気持ちを感じた方が「ありがとう」を送ることができるようにするというものです。
こうして感謝の気持ちをNewsPicks内で循環させることで、より多くのコメントが寄せられるようになるのではないかと考えたからです。
また、こうした「ありがとう」のたくさん集まった価値あるコメントを、たくさんの方に読んでいただけるようにフィーチャーすることにも挑戦しました。
そして3つめに、NewsPicks上で行われたご自身の日々の活動をグラフ化する「アクティビティ」画面をご用意し、フィードバックを得られやすくする機能を実装しました。

よかったことと苦戦したこと

βテストでは多くのユーザーさまにこれらの機能をご利用いただいたわけですが、非常によく使っていただけたものもあれば、想定どおりにいかなかったものもありました。
まず「サンクスポイント」機能では、皆さまが「いいね!では表しきれない、素晴らしいコメントだ」と感じたコメントに対し、ポイントを送れる仕様にしました。
そして、ポイントを送付する際には、なぜ送りたいと思ったのか、その理由を4つの項目から選ぶ作りにしました。こうした精緻なデータを集めることができれば、将来的にはコメントの並べ替えアルゴリズムの改良にも活用できると考えました。
実際にβテストがはじまってみて手ごたえを感じたのは、テスト期間中に「継続的にコメントくださる方が多かった」ということです。
また、サンクスする理由に「専門的な内容」であることが選択されたコメントは、実際に読んでみても確かに高い専門性の伺えるコメントが多く、迷いなく選択いただけたのかなと感じました。
課題として残ったのは、途中で実施したアンケートでも皆さまからご指摘いただいたとおり、「サンクスする理由」の選択項目を何にするかです。選択肢が多いほど選ぶのが大変になりますし、少なければ「いずれもしっくりこない…」となりかねません。
実は、テスト期間中に3回ほど選択項目を見直しまして「アプリを立ち上げるたびに違う理由が出る!」と困惑のお声をいただいてしまいました。どんな項目をご用意すればいいか、ここはまだまだ工夫したいところです。

コメントをフィーチャーする

せっかく皆さまからたくさんのポイントが寄せられたコメントがあるのだから、そのコメントをより多くの方に届けられるようにしよう。そう考えて設置したのが「サンクスが集まっているコメント」セクションです。
「サンクスする理由」ごとに表示し、皆さまが選んだコメントをまとめ読みできるようにしました。読みやすさと操作のしやすさをいかに両立させるか、デザイナーとともに苦心したところです。
よかった点としては「コメント欄のUIを変更してみる」というチャレンジができたことです。今までにはないコメントの読み方ができる、新しい体験をご提供できそうだと可能性を感じました。
ただ、縦スクロールで操作する部分と横スクロールの部分が、コメント欄のなかに混在し、複雑になった結果「使いづらかった・使わなかった」というお声も頂戴しました。ここのUIは、さらなるブラッシュアップが必要ですね。

NPの新たな楽しみ方

そして「アクティビティ」画面です。
以前から「何件コメントをしたか、どれだけ記事を読んだか、自分の日々の活動を把握できるようにしたい」とのお声を頂戴していたため、ご利用状況をグラフにして表示できるようにしました。
この機能については「どの分野の記事にしたコメントが、ほかのユーザーさんからサンクスをもらっているのかが分かりやすくなり、フィードバックが得られやすくなった」と一定の評価をいただきました。
実際のご利用状況からも、テストにご参加くださった方の利用率が高いことが分かり、皆さまに楽しんでお使いいただけたのではないかと感じています。これも、NewsPicksの楽しみ方の新たな可能性を感じることができました。

ブロックチェーンの難しさ

機能の裏側のシステム面でも、ふたつのチャレンジがありました。
ひとつはブロックチェーンです。サンクスポイントをやりとりした記録は、イーサリアムに書き込むようにしていました。βテストは、新しい技術をNewsPicksでも活用する方法はないかという、技術検証でもありました。
ただ、3ヶ月のあいだ運用してみての結論としては、「実用にはまだ難しさがあるな」というのが率直な感想です。大きなポテンシャルは感じるものの、会計や法律の面、処理速度の問題、Gas代と呼ばれる手数料支払いの煩雑さなど、300万人のユーザーさまがいるNewsPicksで実用するには課題が残ります。
この分野は技術改良が続けられており、変化のスピードも速いので、引き続き技術調査を継続しながら分散システムの可能性を模索していきたいと考えています。
そしてもうひとつが、トークンエコノミーです。トークンを軸に、コミュニティを活性化することは可能か?この観点でも、今回のβテストは意義のある実証実験ができたと思います。いい循環を作ることができれば、コミュニティに貢献するいいインセンティブができると感じました。
ただ、配布のロジックを作り込むのは、本当に難しかったです。お気づきのとおり、テスト開始直後は、ポイントを配布しすぎてしまったんですね。皆さまからも「こんなにポイントを付与されても使い道に困る」とのお声をいただきました。
配布するルールを見直したのですが、今度は引き締めすぎてしまってデフレになってしまった(笑)。アルゴリズムを細かくチューニングせねばうまく機能しない、その難しさを実感しました。
以上のように、3ヶ月間に渡って皆さまにご協力いただいたことで、どういった機能が求められるか、非常にクリアになりました。皆さまから頂戴したご意見、そしてご活用いただいたデータをもとに、次の機能の開発を進めています。
NewsPicksの全ユーザーさまに使っていただけるものをご用意しますので、楽しみに待っていていただけたらと思います。

ありがとうございました!

イベントでは、「イベントに参加したピッカーさんのなかで、最もたくさんの方にサンクスを送ってくださった5名」を表彰し、記念品を贈呈しました。
そして本記事の最後に、βテストご参加者のなかで「もっともたくさんの方からサンクスされたピッカーさん」を、ニュースカテゴリごとにご紹介します(iOSユーザーさまのみ・弊社社員を除く)。貴重なコメントをいつもありがとうございます!
βテストにご参加くださった皆さま、3ヶ月間本当にありがとうございました!