『目を覆いたくなる高齢者医療の現実』 vs 『医療・介護の多忙な現場の実情』 この果てしない葛藤から抜け出す唯一の方法とは。
コメント
注目のコメント
素晴らしい記事だったのでピック。下記に引用。この見解をドクターが示し始めると、業界変わります。素晴らしいなー。
「「患者さんの人生は患者さん本人のもの。病気を治すのか治さないのか、命のおわりをどう迎えるのか、医療を使って命を永らえたいのか、たとえ命が短くなってもいいから好きなことをしたい、好きなところに居たいのか、そんな人生の大きな決断の決定権は本人にある」」
「「僕ら医師の持つ「医学的正解」と、患者さんやご家族が長い間紡いできた「人生の正解」はまた別物であることも多い。お腹に「胃ろう」の穴が空いていて器具が残っている、ということ自体を苦痛に思う方だっておられるかもしれない。」」患者さんの希望が最優先です。認知症があって判断能力が十分になくても、本人の言葉は大切です。ざっくり言ってしまうと「家族の意思」すらも関係ないのです。
ただ、例えば徘徊しても良いのですが、リスクをどう考えるかでしょう。施設職員が見守っていても見守っていなくても同程度に骨折を生じて寝たきりになるから見守るだけムダといったエビデンスでもあれば別ですが、10人に1人でも自由に歩かせていて「つきっきりで見てないから」転倒して骨折したと訴えられたら、法的に訴えられなくても医療・介護職員は疲弊していく。「萎縮」するのもやむをえない気もします。その他にも、交通事故に遭ってしまった場合、「交通事故に遭っても、それが寿命と思って自分の好きなように散歩させていました」と家族が納得しても、流石に事故を起こしてしまった側はそういうわけにもいかないでしょう。
そんなことを言っている私は患者さんの人生を第一に考えていないダメな医者なのでしょう。
最近、医療倫理が注目されているようです。緩和ケアを学び始めて僕は知りましたが。少し前に特集もあった山口周さんの美意識などとも通じるところがあるのでしょうか。
我々の世界では有名な"The practice of medicine is an art, based on science."という言葉がありますが、この言葉の意味は深いなぁと感じます。
答えのない世界なので、問題を無視せず、向き合っていくことが大切かと思っています。