(ブルームバーグ): トヨタ自動車は同社の車をグーグルの「アンドロイド・オート」に対応させることで合意した。事情に詳しい関係者1人が明らかにした。これまでトヨタは、アンドロイド端末を自動車のインフォテインメント(情報・娯楽)システムと連動させるシステムであるアンドロイド・オートに対し、安全性とセキュリティーの面で懸念があるとして抵抗を示してきた。

トヨタは初めて、アンドロイド・オート・システムの車への直接接続を認める。同社は今年1月にアップルの「カープレイ」対応車を発表していた。以前はアンドロイド・オートとカープレイの双方とも、フォードが開発した、車両データへのアクセスを制限しながらスマートフォンと車を連携させる規格「スマートデバイスリンク(SDL)」を介してのみ車と接続可能だった。

アンドロイド・オート対応車はコネクティビティの不足を理由にトヨタ車を敬遠していた消費者を呼び込む可能性がある。ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)の集計データによると、スマホの80%強がアンドロイドを搭載しており、アップルの「iOS」搭載スマホを圧倒している。トヨタのアンドロイド・オートに関する計画に詳しい別の関係者によれば、トヨタは早ければ10月に発表する可能性がある。情報が非公開であることを理由にこれら関係者は匿名で語った。

グーグルの親会社アルファベットにとっては、ソフトウエアの車分野への進出という面で新たな前進となる。しかし今月発表されたフランスのルノーと日産自動車、三菱自動車から成る3社連合(アライアンス)との技術提携と比べたらスケールはかなり小さくなる。

トヨタの広報担当は、同社はアンドロイド・オートが求められており、車への直接接続は同社が検討していることだと認めたが、それ以上のコメントは控えた。グーグルはコメントを控えた。

原題:Toyota Is Said to Agree to Add Android Auto in Its Cars(抜粋)

--取材協力:Gerrit De Vynck.

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