【ヤッホー井手】社員6倍、13年増収。超フラット企業の成功法

2018/9/26
日本で進化型組織「ティール組織」を実践している企業がある。星野リゾートの子会社で、クラフトビール製造のヤッホーブルーイングである。
長野県軽井沢町に本社を置く同社は、階層をフラットにし、社長も平社員もニックネームで呼び合い、自由に話せる環境を作っている。
その一方で、業績は13期連続で増収増益を続け、売上高は2022年に200億円規模を目指している。従業員数も増えており、この10年で20人から130人へ6倍となった。
さらに、GPTWジャパンが主催する「働きがいのある会社」ランキングでは、2年連続でベストカンパニーに選ばれている(従業員100~999人の部門で2017年が43位、2018年が45位)。
ヤッホーブルーイングの急成長を実現した経営者は、井手直行社長(50)。社内では、「てんちょ(店長)」と気さくに呼ばれている。
階層をなくした組織で、好業績をどう保てるのか。井手社長がNewsPicks編集部に語った。
井手直行(いで・なおゆき)1967年生まれ、福岡県出身。電機機器メーカーでエンジニア、広告代理店で営業を経て、1997年、ヤッホーブルーイング創業時に営業担当として入社。ネット通販業務を推進して2004年に業績をV字回復させる。2008年、社長就任。(撮影:加藤昌人)

ユーモアにふざける

──ヤッホーブルーイングの組織体制は、どのようになっているのでしょうか。
井手 社員はいま130人います。組織の形は、社長の私、ディレクターが16人、そして、残りの約110人がプレーヤーです。この3階層で構成されているのですが、階層はあくまで「役割」であって、「誰が偉い」ということではありません。