【解説】カメラに、スマホへの「勝ち目」はまだあるのか

2018/9/18
日本が誇るカメラ業界が今年、大きく動いている。
8月23日、ニコンが、フルサイズのミラーレス一眼カメラ「Z6」「Z7」を発表したのに続き、9月5日、キヤノンもフルサイズミラーレスの「EOS R」を発表した。
ニコンとキヤノンといえば、日本のカメラシェアを二分する「ビッグ2」だ。
この2強が時を同じくして、高級なミラーレスを投入したのは、なぜなのか。その背景にあるカメラ業界の構造問題、そして勢力図の変化、さらにスマホとの差別化まで、BCN総研のチーフエグゼクティブアナリストである道越一郎氏に解説してもらった。

ミラーレスが一眼レフを抜く

──ニコンとキヤノンが、同時期にフルサイズのミラーレスを出しましたね。
道越 まず、本題に入る前に、カメラの種類について説明させてください。カメラは大きく分けて2種類あります。レンズとカメラが一体になっているレンズ一体型と、レンズを取り外しできるレンズ交換型です。
レンズ一体型は、コンパクトカメラと呼ばれることが多く、手軽に撮りたいユーザーが多いです。一方、レンズ交換型は本格的に撮りたい人が使います。
レンズ交換型は、さらに一眼レフとミラーレスカメラに分けられます。
写真提供:deepblue4you、キヤノン株式会社、株式会社ニコン