高宮慎一さんが語る、ストックオプションのリアルとVCから見るメルカリの上場
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注目のコメント
ストックオプション設計における基本的な考え方から、実践編まで解説。
ただ、一番大事なのは、資本主義の基本中の基本とも言う『経営と所有の分離』。会社/事業が、ゴーイングコンサーンで、永続的に続く限りにおいては、外部から調達を重ねる中で、創業者の比率は下がる方にしかいかない。その中で、経営者が経営の柔軟性、コントロールを維持しようとすると、その源泉は株主(=所有)からの経営手腕に対する信任でしかありえない。
スタートアップの場合、経営者が創業者であることが多いので、つい株式比率でのコントロールを考えがちだが、本来大株主としての自分が、経営手腕を発揮できない経営者の自分をクビにするということもあるはず。こういうのを実践知と言うんだろうなぁ。赤線引きまくり。抜粋ばっかりコメントで失礼。。
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・経営者の立場として、事業運営がしやすいから50%、33.4%を保持したいと考えない方が健全です。一番の業績のインパクトを直接的に受ける大株主としての自分が自分を信任するに足る経営パフォーマンスを出していれば、他のマイノリティ株主も信任してくれるはずです。まとめますと、大株主としての自分、経営者としての自分という、起業家の中に二つの異なる立場があるというのを自覚的でいると良いかもしれません。
・ストックオプション付与の傾斜は“フェア”にしてください。何をもって“フェア”かはまさに前述の思想によるところですが、いずれにせよ上場時にはオープンになりますし、隠していても案外バレるものなので、説明がつくように制度化しておく必要があります。
・一番やっていけないのは、キーマンが辞めると言い出した時に、ゴネ得のような形でストックオプションを付与してしまうことです。これは、単なるその場の処方箋でルールとの一貫性がなく、後々、説明がつななくなってしまいます。
・3人でやるから生株を1/3に均等に割ることはやめておいた方が良いです。誰が最終的に、責任と決定権を持つのかクリアにしておくことが大切です。最終決定権を持つ者が多く株を持つべきです。日本では現実的に個人補償などもその人が追うことになります。リスクとリターンをセットにして生株を配分しましょう。前回大変好評だった圧倒的な実績を誇るグロービス・キャピタル・パートナーズ 高宮慎一さんのインタビュー。
今回はスタートアップ、ベンチャー業界の方が皆さん気になるストックオプションについてご質問をさせていただきました。
スタートアップ、ベンチャーに興味のある個人の方
起業家、経営者の方
VCへのキャリアをお考えの方
大変有益な情報やご意見だと思います。私自身大変勉強させていただきました!高宮さんのメンバーも大募集です!
〜Contents〜
導入:ストックオプションに関して絶対に知って欲しいこと
経営者:ストックオプションの設計における前提知識
経営者:ストックオプションの設計において守るべき鉄板ルール
経営者:理想的なストックオプションの配分とは?
経営者:生株と創業者間契約の大切な考え方
転職者:転職におけるストックオプションの捉え方?
VCから見るメルカリの上場
キープレイヤーズ高野のコメント
ご経歴
グロービス・キャピタル・パートナーズ(GCP)ではインターネット領域の投資を担当。投資先に対してハンズ・オンでの戦略策定、経営の仕組化、組織造り、国内外の事業開発の支援を実施。 GCP参画前は、戦略コンサルティング会社アーサー・D・リトルに て、ITサービス企業に対する事業戦略、新規事業戦略、イノベーション戦略立案などを主導。東京大学経済学部卒(卒論特選論文受賞)、ハーバード大学経営大学院MBA(二年次優秀賞)。
▼実績/支援先
実績には、IPOにアイスタイル(東証3660)・オークファン(東証3674)・カヤック(東証3904)・ピクスタ(東証3416)・メルカリ(4385)、M&Aにしまうまプリントシステム(CCCグループ入り)・ナナピ(KDDIグループ入り)などがある。現在支援先には、ランサーズ・メルカリ・ビーバー・タイマーズ・クービック・リブルー・ミラティブなどがある。