「利ざや収入が減少して銀行経営が苦しい」と言うけれど…
コメント
注目のコメント
ざっくり経験則で説明しますと、市場金利の貸出金利と預金金利への転嫁率はそれぞれ80%、40%程度です。
貸出金利を仮にr%、預金金利をd%として、市場金利の変化幅を⊿%(低下はマイナス)とすると、
利ザヤは(r-d)%から{(r+.8⊿)-(d+.4⊿)}%へ変化、つまり+.4⊿%の変化幅となります。金利低下であれば、.4⊿%の悪化となります。
しかし、預金金利はゼロ近傍となっていますので、市場金利低下に対する感応度はほぼゼロ%、つまり{(r+.8⊿)-(d)}%となり変化幅は.8⊿%とさらに拡大します。これがマイナス金利の害毒です。
とはいえ、荘司先生の論考にも登場する短プラがミソで、実はマイナス金利に連動させて下げていないんです。ですから、短プラに連動する変動金利住宅ローンや中小零細企業向けは利ざやを悪化させていません。
したがって、資金収支の悪化は、ひとえに①市場金利連動貸出、②有価証券運用収支、③日銀当預を含む短期資金繰り収支の3つに起因しています。
取り急ぎ。野崎先生のコメントについて、下記は2015年の野崎先生の記事でさらに詳しく説明がされているので、ぜひ見ていただきたい。
https://newspicks.com/news/1113000/body/基準金利でいうと、長プラなんか大昔からノーマーク。長信銀メイン先あたりがマニアックに拘っていたくらい。
大企業から、短プラ→Libor/Tiborベースに基準金利が移ってきて、今ではまあまあの中小企業あたりまで、Tiborベースが降りてきているということかと。
ベース金利より"できあがり"だと思います。
https://newspicks.com/news/3231165