松尾豊研究室のキーマンが描く「AI×VC」の青写真

2018/8/15
ディープラーニング(深層学習)と呼ばれるAI分野で日本トップクラスと言われる、東京大学・松尾豊研究室。
研究内容のビジネスへの応用にも積極的で、みずほ銀行、リクルート、ソフトバンクら数々の民間企業との共同研究を行うほか、研究室メンバーからも続々と起業家を輩出している。
そんな松尾研究室で、松尾氏が「CFO」「金庫番」と呼ぶ人物がいる。リサーチアドミニストレーターを務める田添聡士氏だ。
田添氏は松尾研究室において、産学連携案件の精査や研究資金の調達などのビジネス面を一手に担い、多忙な松尾氏を支えている。
今年8月、田添氏が代表を務めるベンチャーキャピタル「Deep30」が始動した。
Deep30は名前の通り、ディープラーニングを使ったビジネスに特化して投資を行うファンドで、スタートの資金額は10億円。UTEC(東京大学エッジキャピタル)や個人投資家の資金を運用する。
投資対象は、基本的にはシードステージのスタートアップで、1社あたりの最大投資額は5000万円。数年で10億円の投資を実施し、以後、2号、3号ファンドを立ち上げる予定だという。
なぜ今、ディープラーニングに特化したベンチャーキャピタルを立ち上げたのか。自身の経験やノウハウを生かして、どのような投資を行っていくのか。代表の田添氏に今後の青写真を聞いた。
田添聡士(たぞえ・さとし)/Deep30代表
1985年、静岡県出身。東京工業大学大学院で情報科学を専攻。ボストンコンサルティンググループ、株式会社じげん、YCP Holdingsを経て、現在は東京大学工学系研究科松尾豊研究室・リサーチアドミニストレーター。株式会社ディープコア・ディレクターも兼務。