【解説】なぜ、あなたの健康に「腸内細菌」が重要なのか

2018/8/12
人間は、お腹にいる約100兆個の細菌とともに生きている――。近年、健康周りのキーワードとして、大きな注目を集める「腸内フローラ(腸内細菌叢)」。我々の体内で、ダイナミックな生態系を築き上げている腸内細菌は、人間にとっていかに重要なのか。個人向け、医療機関向けに腸内フローラ検査事業を手がける「Cykinso(サイキンソー)」の沢井悠代表に聞いた。

人体と「共生」している

──腸内細菌が、バイオ業界でも大きな注目を集めています。
腸内細菌と関連して、最近注目されている言葉に「マイクロバイオーム(ヒト常在細菌叢)」があります。
我々の体内に棲む膨大な数の細菌が、ヒトの細胞とやり取りをしながら、我々の生理機能をコントロールしているというものですね。
マイクロバイオームは、腸内細菌だけではなくて、皮膚や髪、口など、ほかにも菌が多い部位があります。それぞれ細菌にも役割があって、大きく分けると、病気に関連するものと、人体と共生する役割を担う、という2つがあります。
特に、「共生」は、最近注目されている面白い価値観です。
例えば、腸内細菌で言うと、お腹の中にいる細菌たちが、人間が食べたモノのうち、人間が利用できなかった部分をさらに分解して、人体に対して有益な物質を出してくれている、という役目があるわけです。