トヨタ、再雇用者の給与改善へ 「実質65歳定年」目指す
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再雇用者の給与改善は、資金的体力のある会社だからできる、なければできないということが問題の本質ではありません。
終身雇用+年功序列式の評価報酬制度を否定した時に、日本の多くの企業は実力主義に移行したと多くの人が考えていますが、実はホンモノの実力主義を導入している企業はほとんどありません。
その事例のひとつが、役職定年制度や定年制度です。これはいってみれば、どんなに実力があろうとも、年齢があるラインを越えたら、ビジネスの一線から強制的に退去させられるものだからです。
これは、実力主義とは対極の人事施策です。全社的にコンピテンシー評価や絶対評価を導入する一方で、役職定年や定年後再雇用で給与体系を大幅に変更するのは、『2枚舌の人事制度』と言われても反論できないでしょう。
人事部が本当に解決すべき問題は、管理職を離れたベテラン層の働き甲斐や生きがいの維持向上と、かつての上司を部下に持つことになる中堅層管理職が大きな負担を感じないでマネジメントできる人事制度と運営方法を準備することです。
企業経営の方針を理解し、現場と綿密な意見交換をしたデータがなければ、なかなか実行できない人事制度改革です。
資金的な体力の問題ではなく、人事部の知力、信念、体力の問題です。