【長谷川工業】おしゃれ脚立が大人気。成熟市場にこそチャンスはある

2018/8/15
「大阪にイケてるはしご屋さんがある」――。われわれはそんな情報を入手した。その会社は、デザイン性の高いおしゃれな脚立を開発し、大好評を得ているという。
そのおしゃれ脚立「ルカーノ(lucano)」は、ダイソン「羽根のない扇風機」と同じドイツのデザインアワードを受賞し、世界的にも評価されている。
デザイン性を重視した「lucano(ルカーノ)」 (長谷川工業HPより)
このルカーノを開発したのは、1956創業の老舗はしごメーカー、長谷川工業だ。業界のパイオニアと言われ、その品質や安全性から、以前から現場作業に携わる職人からの支持は厚い。
脚立やはしごはたしかに、どのメーカーも同じような外見だ。しかし、実用性が重視される製品に、果たして「デザイン」は求められるのか。
すでに実績のあるメーカーが、あえてデザインを取り入れた意図や、ブランディングとは何かについて、副社長でブランドゼネラルマネージャーの長谷川義高氏に聞いた。

ルカーノは問題解決から生まれた

──「ルカーノ」を知ったとき、こんなにおしゃれな脚立があるのかと驚きました。しかも、それを作るのが創業60年を超える老舗メーカーと聞き、さらにびっくりしました。
歴史ある会社の中でイノベーションを起こすのは大変だと思いますが、おしゃれな脚立を作ろうという発想は、どこから生まれたのですか。
長谷川 「ルカーノ」は、かっこいいものを作るというより、問題解決をしたいという思いから生まれました。