(ブルームバーグ): 株式市場で人気の半導体株から、そろそろ距離を置くべきだとモルガン・スタンレーは判断している。米国の半導体セクターは今やリスクリワードレシオがこの3年で最悪になり、循環リスクも積み上がっているという。モルガン・スタンレーは7月には、取引過密になっているテクノロジーセクターには売りを出すよう投資家に提言している。

ジョゼフ・ムーア氏らアナリストのリポートは、「循環指標は警告を発している」と指摘、セクター判断を「インライン(標準的)」から「コーシャス(慎重)」に引き下げた。「在庫は高水準にあり、生産リードタイムが長期化しているため不測の事態に対処する余裕がなくなっている。リードタイムの調整、もしくは需要伸び悩みの際には無視できない規模の相場調整につながりかねない」と分析した。

フィラデルフィア半導体指数は3年間で2倍を超えて上昇。中でもエヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は仮想通貨マイニングに絡む需要にも押し上げられた。

米中の貿易関係悪化で大型合併・買収(M&A)が実現しなくなる可能性もあり、業界はこれまでの活況を失いかねないと、アナリストらはみている。モルガン・スタンレーによれば、半導体製造装置関連銘柄は向こう半年から1年、「レンジを抜けられない」見通し。同セクターの投資判断は「魅力的」から「インライン」に引き下げられた。

暗い見通しの一方で、クラウドコンピューティング進出やIT投資、機械学習の躍進は循環的低迷の影響を多少相殺すると期待できるとして、エヌビディアやザイリンクス、アンバレラ、インテルなど有望な銘柄もあるという。

原題:Morgan Stanley Warns on Chip Stocks, Adding to Bearish Tech Call(抜粋)

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