【宗像×梅澤】特許庁、デザイン経営への挑戦

2018/7/28
第3回において「日本のデザイン政策の後進性」が議題に上ったが、行政は産業競争力におけるデザインの力をどのように捉えているのか? 女性初の特許庁長官・宗像直子氏に、A.T.カーニー日本法人会長・梅澤高明氏が迫る。

デザイン思考は人々をエンパワーする

――宗像長官は通産省(現・経産省)に入省されて、TPP交渉に尽力し、初の女性局長となられ、首相秘書官を経験されました。そして昨年、特許庁長官に就任されたわけですが、「産業競争力とデザインを考える研究会」にはどのように携わってきたのでしょうか?
宗像 第1回の会合が、ちょうど発令の日でした。冒頭だけしか出席が叶わなかったのですが、「とても面白そうな研究会だな」と感じました。それからは都合のつく限り出席して、色々と勉強させていただきました。
宗像直子/特許庁長官。東京大学法学部卒。旧通産省に入省。経済産業研究所上席研究員、ブルッキングズ研究所客員フェローなどで自由貿易協定に関する日米の政策の変化を分析、製造産業局繊維課長で東京のファッション発信地化に取り組み、通商政策局通商機構部部長などでTPP交渉への日本の参加と妥結に尽力。2014年、経済産業省初の女性局長(貿易経済協力局局長)に就任。2015年、内閣総理大臣秘書官に就任。2017年、女性初の特許庁長官に就任直後、旧姓使用実現に取り組んだ。