国連「破産寸前」、資金難訴える異例の書簡
TBS NEWS
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国連の1年間の通常予算は27億ドル程度です。通常予算には、PKOや難民支援など、個別のプロジェクトの予算は含まれません。個別のプロジェクトについては、その都度加盟国が拠出します。通常予算は、3千億円程度ですから、東京都が7兆円の年度予算を持ち、職員給与などの経常経費ですら4兆円になるのと比べても小さな組織です。
国連は、世界の平和と安全の維持などの目的を持ちますが、国連単独でできることは極めて限られています。国連の役割は、PKO(年間80億ドル程度)や難民支援、教育や保健のプロジェクトを行うために世界の国々が協議する「場」であるといえます。
この記事でいわれている「資金難」は、通常予算の話ですが、PKOや難民支援等々のプロジェクトについても、国連が調整して動かす予算は不足しています。これは、米国などが、安全保障(「対テロ戦争」を含む)にしても途上国支援にしても、国連を通す必要はなく、自国と同盟国だけでやった方が成果が上がりやすく、自国の利益になる、と考えることが増えているためです。ロシアや中国、あるいはサウディアラビアなども、国連を通さない考えが強まれば、国連の役割は縮小せざるをえないでしょう。国際機関によってはアメリカが4分の1以上拠出しているところも多いです。途上国向けの開発資金については、各国の拠出金よりも、財団経由の民間資金の方が大きくなっていて、国連の経営も歴史的な曲がり角に来ていると感じます。