【高橋祥子】なぜ、生き残るために「多様性」が必要なのか

2018/7/28
ゲノム編集を始めとする「生命科学」の分野は、今、ビジネス界でもホットな分野だ。個人向けゲノム解析サービスを手がける「GeneQuest(ジーンクエスト)」の高橋祥子代表取締役に、その魅力、そして生命とテクノロジーが切り開く未来について語ってもらった。

生命は「宇宙」のようなもの

──高橋さんは、2013年にジーンクエストを立ち上げ、ゲノム解析サービスを提供しています。そもそもこの生命の分野にご興味を持たれたのはなぜだったのでしょう。
まず、家族・親戚に医者や研究者が多かったんです。父が医者で、叔父も医学の研究をやっていますし、企業に勤めている人は身近にいなかったんです。
そういう環境で育ったので、人の命を扱うとか、それを研究していくことは、すごく「かっこいいな」と、もともと小さい頃から思っていました。
ただ、父親の仕事を見学に行ったとき、病気や怪我をしている人を相手にしていることについて、考えることがありました。マイナスをプラスに「治す」ということだけでなく、そもそも、そういう状態になるのかとか、もっと予防できないのかとか、もう少し広い視点で、生命に、自分は携わりたいなと思ったんです。
そして、生命科学の研究に入っていきました。
実際、大学に行ってから、のめり込むようになりました。逆に、「何でのめり込んでない人がいるのかな」っていうぐらいの感覚です(笑)。
──生命科学とは「生命に共通の法則性を解き明かし、それを活用する学問」と定義づけてらっしゃいますね。
これは「宇宙」のようなものなんです。