【山口周】アートの素養を高めれば、論理的能力も向上する

2018/7/16

「正解のコモディティ化」

──山口さんは著書『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』で、ビジネスパーソンがアートへの理解などを通じて「美意識」を磨くことの重要性を説いています。いま、なぜビジネスパーソンに美意識が求められているのでしょうか。
山口 一言で言えば、ビジネスには「アートとサイエンスのバランス」が必要だからです。
アートとは感性や直感、サイエンスは論理や理性と言い換えられますが、特に新規事業のような先の読めないビジネスに取り組むときには、コンサルタント的な論理重視の戦略ではうまくいかないことが多い。
山口周/コーン・フェリー・ヘイグループ シニア・クライアント・パートナー
1970年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部哲学科卒業、同大学院文学研究科美学美術史学専攻修士課程修了。電通、ボストン・コンサルティング・グループ等を経て、組織開発・人材育成を専門とするコーン・フェリー・ヘイグループに参画。現在、同社のシニア・クライアント・パートナー。専門はイノベーション、組織開発、人材・リーダーシップ育成。著書に『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』『武器になる哲学』など。
僕も戦略コンサルティング会社にいた頃は、新規事業のプロジェクトをずいぶん手がけましたが、世の中にインパクトをもたらすほど大きな成功を収めたケースはそう多くはなかった印象があります。